レポート:
新しい会社のカタチ
恐怖の「人手不足倒産」 データで見る“克服のキメ手” Sponsoredあしたのチーム

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中小企業の「人手不足倒産」が深刻化しています。日本商工リサーチの調査によると2018年10月段階で2017年1年間の人手不足倒産数を上回るという急増ぶり。そこで、中小・ベンチャー企業の人事・人材施策や働き方改革に詳しい“あしたのチーム”の髙橋代表に取材。どんな打開策はあるのかを考えてみました。逆は真なり、ですよ!


求人難と中核社員の退職

最初に人手不足倒産の実態を見てみましょう。

日本商工リサーチの調査によると、2018年1~10月の人手不足関連倒産は324件。前年同期比20.4%増(前年同期269件)で、前年同期より2割増で推移しています。

そのうち、人手確保が困難で事業継続に支障が生じた求人難型(同48.3%増)、中核社員の独立・転職などの退職から事業継続に支障が生じた従業員退職型(同29.4%増)が目立って増加しています。

新規採用が厳しいうえ、既存メンバーは定着しない―。確かに、これでは事業継続すら困難に陥っても不思議ではありません。

「仕事の依頼は増えているんですが、人手不足でこなしきれない。そのため、お断りすることもあるんです…」(首都圏のある中小企業経営者)

こんな悲痛な声が中小企業の経営者から漏れてくることも珍しくはありません。

人手不足の3大理由

深刻な人手不足を招いている社会的背景は、少子高齢化による生産年齢人口の減少。だからといって「しょうがないよね」では淘汰される側に回りかねません。

打開策のヒントは「会社を辞めた人たちの退職理由」にありそうです。

「会社を辞めたヤツの理由なんか、ただの言いわけ」。こんな声が聞こえてきそう…。けれど、商品・サービスの差別化とは市場の不満要因を解消し、満足を高めることが基本ですよね!?

だとすれば「会社を辞めた人たちの不満」を解消する打ち手は、自社を差別化し、人手不足に強い会社をつくるヒントにつながるかもしれません。

ご紹介したい調査データがあります。日本最大級の転職サイト「エン転職」を運営するエン・ジャパンが2017年5月に6,355名の転職者を対象に実施した「退職理由アンケート」調査です(複数回答)。

同調査からは“退職3大理由”を明確に浮かび上がってきます。それは、①「給与が低い」(47%)、②「評価などの不満」(37%)、③「残業や休日出勤が多い」(28%)。

「給与」「評価」「働き方」への不満が退職の引き金になりやすい、ということですよね。

自由回答欄を見ると、「昇給制度はあるが上がったことがない」(低給与への不満)、「好き・嫌いで評価された」(評価への不満)、「1ヵ月、休みがないことがあった」(働き方への不満)とのコメントが目立ちました。

これは、そのまま「採用難の原因」にもあてはまりそうです。

給与が低く、評価が感情で決められ、働き方にも問題が―。これでは“超売り手市場”のなか、思うように採用が進むわけがありません。

「市場の不満」の解消が差別化につながります。だとすれば、給与・評価・働き方の課題を解消することが、多くの企業が苦悩する人手不足のなかで勝ち残る“差別化”になるはず。そう思いませんか?

「給与一律アップ」は危険!

「給与・評価・働き方の課題解消が必要との指摘はその通りです。しかし、やり方を間違えると逆効果です」

こう話すのは、中小・ベンチャー企業のHR施策や働き方改革に詳しい“あしたのチーム”代表の髙橋恭介さんです。

new_あしたのチーム 高橋恭介①株式会社あしたのチーム 代表取締役会長
髙橋 恭介 (たかはし きょうすけ)
1974年、千葉県松戸市生まれ。2008年に株式会社あしたのチームを設立。人事評価制度の構築・クラウド型運用支援サービスを提供する。

 

どういうことでしょう? その理由を髙橋さんは次のように解説します。

「たとえば、単純に給与を上げればいいのかというと、それは間違い。起業する以前、ある会社の社員だった時代の私の実体験でもあるのですが、給与を一律アップすると優秀人材が会社を辞めてしまうリスクもあるんです」(髙橋さん)

意外ですね。なぜでしょう?

「優秀な人材からすれば『給与が上がったと言っても、これだけしか上がらなかった』 『どうして頑張ってない人と昇給額が同じなのか』という新たな不満要因になりかねないからです。一律アップで喜ぶのは生産性が低い人材だけなのでは」(髙橋さん)

どうして、こんな矛盾が起きてしまうのでしょう。

「給与額を決定する土台は人事評価制度ですよね。しかし、納得感や透明性に欠ける人事評価制度の場合、なぜ自分がこういう評価をされたのかがわからない。だから給与アップでも不満が残るんです」(髙橋さん)

確かに、生産性が低い人も高い人も理由が明らかにされずに一律に給与アップすると、生産性が高い優秀人材は「自分は適切に評価されていない」と感じそうです。

「一律アップは年功序列の古い考え方。急速に進んでいる人手不足の深刻化という大変化には、とても対応できません」(髙橋さん)

「新しい会社のカタチ」とは

年功序列に代表されるような旧来の考え方や仕組みを捨て、自分の「働き方」が適切に「評価」され、評価結果が「給与」に反映される―。こうした仕組みをつくることが必要とされているようです。

…「給与」の不満についての解消策を考えていくと、給与への不満に次いで多い退職理由である「評価」と「働き方」にもつながっていくようです。不思議ですね。

「気づきましたね(笑)。これからの“新しい会社のカタチ”の基盤は、透明で納得性の高い給与・評価・働き方。ひとつの課題は、ほかのふたつと連動しているんです。給与・評価・働き方は、一見、バラバラな問題のようでいて、根はつながっています。新しい会社のカタチをつくることができた企業は、自立型人財が多数在籍する自発的貢献意欲(エンゲージメント)の高い組織をつくることができます。深刻な人手不足などの大きな環境変化が起きても継続成長できる強い会社に進化できるんです」(髙橋さん、下の図を参照)

正体がわからないものに人間は恐怖を抱きます。人手不足は企業活動の根幹を揺さぶる得体の知れない“恐怖”ですよね。でも、どう対応すべきかがわかれば逆にチャンスに変えることもできます。

人手不足を打開するカギは「透明性」と「納得性」。そして、このふたつのキーワードを具体化していく取り組みこそが、外部環境の激変に負けない“新しい会社のカタチ”をつくっていくようです。

改革を実現した中小企業経営者

これからの“新しい会社カタチ”を具体的に提示する「働き方改革シンポジウム2018」が2018年12月10日(月曜日)虎ノ門ヒルズフォーラムで開催されます(主催:一般社団法人スマートワーク推進機構)。

慶應義塾大学大学院の岩本隆特任教授、立教大学ビジネススクールの田中道昭教授、第一勧業信用組合の新田信行理事長などが講演。スマートワーク推進機構代表理事も務める“あしたのチーム”代表の高橋恭介さんも登壇します。

中小企業で働き方改革を実現した企業と、その事例を積極的に聞き、学びたいと思っている経営者が参加するシンポジウムです。

シンポジウムの詳細・お申し込みはコチラ

プロフィール
髙橋 恭介
株式会社あしたのチーム 代表取締役会長
髙橋 恭介 (たかはし きょうすけ)
1974年、千葉県松戸市生まれ、千葉県立船橋高校出身。東洋大学経営学部卒業後、興銀リース株式会社に入社。リース営業と財務を経験する。2002年、創業間もないベンチャー企業であったプリモ・ジャパン株式会社に入社。副社長として人事業務に携わり、当時数十名だった同社を500人規模にまで成長させ、ブライダルジュエリー業界シェア1位に飛躍させた。
同社での経験を生かし、2008年、株式会社あしたのチームを設立、代表取締役に就任。現在、国内47全都道府県に営業拠点、台湾・シンガポール・上海に現地法人を設立するまでに事業を拡大。1300社を超える中小・ベンチャー企業に対して人事評価制度の構築・クラウド型運用支援サービスを提供している。給与コンサルタントとして数々のセミナーの講師も務める。2018年6月より代表取締役会長に就任。


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