「人事評価制度」社長が失敗しがちな“7つの誤解”
#2 【誤解1】 難易度が低くなるので 「行動目標の自己設定」はさせない Sponsored株式会社あしたのチーム

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個人も会社も成長しない

企業経営において個々の社員に期待することは“目標の達成”。目標にはふたつあり、ひとつは数値目標。「今月の売上目標は●万円」などです。

もうひとつは行動目標。例えば、「毎日午前中に20件アポイントの電話をする」といったことです。ここでは、行動目標についての“誤解”を解説します。

行動目標について、もやもやしている経営者は少なくないようです。高い目標を乗り越えていくから成長するのに、できなかったことを恐れて、過去実績にちょっぴり付け足したような行動目標しか設定しない。

「本気になれば、やればできるはずなのに」。そう考えると、ついイライラしてしまいますよね。だからといって会社が一方的に行動目標を設定するのは間違い。

会社組織を人体にたとえれば、社員は一つひとつの細胞のようなもの。自分から目標を設定し、達成するプロセスをあれこれ経験して、社員が成長していく。そうした個人の成長こそが、企業成長には欠かせません。

人間の成長に欠かせないのは達成感、そして自信です。そこそこの労力で結果を出せる目標では達成感や自信は得られません。いまの実力よりは高い目標を達成してこそ、自信がつきます。

具体的かつ高い行動目標を自分で設定してこそ、その目標と能動的に向き合えます。人材育成の視点からも「目標の自己設定」は重要なのです。

例えば、掲げられた行動目標が組織、上司から与えられたものだった場合。達成できなかった時、「そもそも最初からムリがあった」「自分はこういうふうにやりたかったのに、上からこう言われた」と“他責”になりがち。言い訳しやすいのです。

しかし、自分から設定した目標であれば、達成できなかった場合、言い訳より先に「次はどうすれば達成できるか」と改善ポイントを探るはずです。

「なぜできなかったのか」の内省があり、「次はこうしよう」という気づきがある。こうした試行錯誤の積み重ねが、個人を成長させます。

運用の初期段階では軌道修正は必須

ただし、行動目標を自己設定させるといっても、すべて好きなようにやらせる、ということではありません。当然、直属の上司など評価者のチェックが必要です。

経営サイドと評価者がコンセンサスをとったうえで、社員が設定した目標の難易度が低すぎないか。または方向が間違っていないかを確認するのです。

個々の社員が設定する行動目標は、当然、会社の理念・戦略・方向性を踏まえたものでなければいけない。どれだけ高い目標でも、見当違いの方向に向かっていたら意味がありません。

目標を自己設定させる初期の段階では、会社の方針を理解する訓練をしていると考えてください。難易度が低い。方向がおかしい。そんな場合は評価者が目標の変更を促すのです。

 

そのために必要なのは、次の4つのステップです。

【ステップ1】十分な材料を提供する

まず、今期の全社目標と方針、個々人への要望事項など、目標設定するうえで参考になる指針を本人に伝えます。最初に「部下への期待と要望」を提示するのです。

【ステップ2】被評価者が自ら考えて目標設定する

ステップ1で本人に伝えた方針に則った内容で達成水準を明確化してもらいます。そこに、適切な難易度の設定や達成のためのアクションプランを盛り込み、上司に伝えられた指針に則り、自己目標を設定します。

【ステップ3】上司と話し合いながら加筆・修正する

自己目標の内容が適切かどうか、上司が部下の自己目標を確認するステップです。自己目標について、部下の考え方を聞き、上司の支援策を提示することも大切です。

【ステップ4】2次評価者(承認者)が確定する

ステップ3で固まった自己目標を承認者が承認するステップです。これにより、社員と会社の目標が一致したことになり、それぞれが目標達成のために共同で行動していくことになります。

 

この4つのステップをひとつのサイクルに、4半期ごとにPDCAをまわしていきます。

行動目標の自己設定を行う場合、最初の段階からすんなりフィックスするのはレアケース。どうしても難易度か低くなったり、方向がズレていたりするのが当然だからです。

でも、評価者がチェックを行い、本人にフィードバックしながら軌道修正していく粘り強い取り組みを続けていくと、数年後にはピシッと、最初から適切な目標がフィックスされる可能性が高まります。

行動目標の自己設定は、社員一人ひとりに会社の理念や方向性を理解してもらったうえでチャレンジしてもらうトレーニング。そして、実力よりもやや高い目標を達成するための試行錯誤を繰り返すことで、個人は成長し、組織もより強固になのです。

社員に目標を自己設定させることは「企業防衛」にもつながります。

 

コンプライアンス上も重要

労働法の視点から見た場合、正当な評価制度がない場合、「社員に対するマイナス査定(給与の減額など)・不利益変更(降格など)は違法になる」という法解釈が成立する。そんな指摘もあるからです。

アヤフヤな目標ではなく、自ら設定した具体的な目標と、その達成度合を絶対評価する仕組みをつくることは、企業成長を促すだけではなく、企業防衛にもなるのです。

 

【新常識1】行動目標の自己設定なくして成長なし

 

 

プロフィール
髙橋 恭介
髙橋 恭介 株式会社あしたのチーム 代表取締役
髙橋 恭介 (たかはし きょうすけ)
1974年千葉県生まれ。東洋大学経営学部を卒業後、興銀リース株式会社でリース営業と財務に各2年間携わる。その後、設立間もないベンチャー企業であったプリモ・ジャパンに入社し、当時数十名だった同社を取締役副社長としてブライダルジュエリー業界のシェア1位、従業員数500名規模にまで飛躍させる。人事にも深く携わり、年間数百名の採用面接を実施、台湾子会社の代表を務めるなどベンチャー企業成長の最前線で活躍。2008年に株式会社あしたのチームを設立し、代表取締役に就任。


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