「人事評価制度」社長が失敗しがちな“7つの誤解”
#4 【誤解3】 多面的な視点での評価を 得るために「360度評価」を行う Sponsored株式会社あしたのチーム

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客観性を担保できない

ひとりの上司の視点だけで評価を決めるのは、評価される側の社員の処遇を「ひとつの視点」で決めることになってしまう。

しかし、ひとりの評価者のひとつの視点では、どうしても見逃しがあったり、誤解がないとも限らない。

そこで、より評価の客観性・公正性を確保するため、直属の上司ではない上席や同僚なども評価に参加した、複眼評価の「360度評価」の導入を考える会社は少なくありません。一見、道理は通っています。

しかし、ちょっと待ってください。360度評価には「信頼できる客観性を担保できない」という弱点があります。運用を間違えると、評価とは言えない「人気投票」や「好感度ランキング」に堕落させ、後段で説明しますが、挙句の果てには会社組織が機能不全に陥いる危険性すらあります。

客観性とは、中立性が保たれてはじめて成立します。会社に属しておらず、取引先でも顧客でもない立場の人なら中立性が保てます。

もちろん、そうした会社の事情をよく知らない人が適切に評価できるかどうかは、また別問題ですが。

ともかく、組織内の人たちは、全員、互いに利害を有しています。そこには人間関係があり、(流行語にもなった)「忖度」が働きます。

他部署の人であろうと、濃淡の差こそあっても、組織内の人たちが完全に中立な立場を貫くのは相当に困難。ですから、客観性を維持するのは難しいのです。

大混乱を引き起こしかねない

また、360度評価では、「上から下」の流れで上司が部下を評価するだけでなく、「下から上」の流れで部下が上司を評価することがあります。

しかし、部下は上司を評価するスキルを十分にもっているものなのでしょうか。ときに上司は部下を育てるために、心を鬼にして“憎まれ口”を言わなければいけない場合があるし、部下が成果を出しても内心の喜びを隠して「もっとできるはず」などと叱咤激励しなければならない場面だってあります。

くわえて、部下は上司が経営陣から期待されているミッショを本質的に知ることはできません。そのため、どうしても主観(人間的な“好き・嫌い”や“合う・合わない”)による評価に流れがち。たとえば、社内での影響力の強い上司には、周囲も遠慮して甘い評価をつけるかもしれません。

主観による360度評価は、部下に媚びを売る上司を生み出しがち。なぜなら、部下からの評価を高めるためには主観に訴える、つまり「部下から好かれる」ことが手っ取り早いからです。

こうなってしまったら、目も当てられないというか、組織の健全な指揮命令機能が破壊されてしまいます。部下のご機嫌取りをする上司が続々登場したら、組織崩壊を招きかねません。

社員間の場合でも同じようなことが言えます。360度評価を行う場合、社交的で性格の明るい社員と、内向的で静かな社員がいた場合、仕事の能力や成果には大きな差がないのに、前者のほうが高く評価される傾向があるからです。

管理職ではない社員は評価づけに対して十分な知識や経験が不足しているため、どうしても好き・嫌いの主観で見てしまいがちです。

さらに問題なのは、360度評価を行うと「談合行動」が起きやすくなること。想像してみてください。誰だって、人事評価で低く評価されたくはありませんよね。

それなら、対象の社員同士が話し合って、お互いを高く評価し合えばいい。これは立派な談合です。

このように、360度評価は「人気投票」になりがちなのです。運用次第ではメリットよりもデメリットのほうが多い、と言わざるをえません。この点を踏まえずに、いきなり360度評価に飛びつくのは非常にリスクが大きいでしょう。

評価者を育成していない裏返し

見方を変えると、360度評価を「よし」とする背景には、経営者のメンタルが大きく関わっているのかもしれません。つまり「中間管理職の評価を信じていないから、いろんな方向からの評価を求めている」のです。

これを仮に「中間管理職性悪説」と呼ぶことにします。経営者がこの「中間管理職性悪説」から抜け出し、公正かつ客観的な立ち位置で絶対評価できるスキルを持てるように育てることが先決なのです。

【新常識3】360度評価は“好き嫌い評価”にすぎない

 

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