あしたのチーム代表
「髙橋 恭介」の
緊急提言
#3 “未来への投資”が 「生産性向上のワナ」を断ち切る Sponsored株式会社あしたのチーム

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生産年齢人口が減少するなかで企業が継続成長し続けるためには生産性を上げていくしかない。しかし、そのための一般的なアプローチは企業を滅ぼす―。緊急提言の第3弾は、大いなる矛盾を解決する“未来への投資”とはなにかに迫ります。


継続経営の条件

企業の投資行動は2つに大別できます。ひとつは「せざるを得ない投資」。社員数が増えたのでオフィス移転する、設備が老朽化したので更新するなどですね。こうした「せざるを得ない投資」は“守りの投資”と言えます。

もうひとつは収益機会を極大化するための“攻めの投資”。新規事業や新技術を開発するためのR&D投資、新規開拓のための販促投資などです。これらは経営コストに近い“守りの投資”ではありません。企業の明日を切り拓き、成長し続けていくための「未来への投資」と言えます。

では、いま、経営者がもっとも優先順位を高く設定すべき「未来への投資」はなにか。それは「労働力確保のための投資」です。

その理由は明かです。少子化による人口純減で、生産年齢人口(15歳から64歳までの労働力人口)が減少し続けているからです。生産年齢人口は、2017年の7,578万人から2027年には7,071万人へ、500万人以上も減少することが見込まれ、すでに足元では「人手不足倒産」がじわりと増えています。

労働力確保こそ、これからの経営の根幹を左右する、もっとも優先順位の高い「未来への投資」なのです。

「働き手が減る」という現実

ここまでは多くの経営者も同意していただけるでしょう。しかし、確保すべき「労働力」の意味について、一般的な解釈と私の解釈では、乖離がありそうです。

労働力確保と言うと、多くの場合、「人材採用」が連想されるのではないでしょうか。具体的には、求人媒体への出稿費や採用イベント参加費などの「採用コスト」を積み増すイメージです。

しかし、これらは生産年齢人口の増加が見込めた一時代前の旧式な考え方。もはや通用しない、安易な発想です。

私がここで言う「労働力確保」は方向感がまったく違います。労働力とは、以下のふたつの因子の掛け算で求められるからです。

労働力=社員数×生産性

たとえばA社の社員数は100人で生産性が0.7だった場合、その労働力は70。一方、70人のB社の生産性は1.5だとしたら、その労働力は105です。A社と比較してB社の労働力は1.5倍、どちらの会社が市場競争で生き残れる可能性が高いのか、明白でしょう。

A社がB社を上回る方法は次のふたつです。ひとつは、生産性は0.7のまま社員数を151人以上にする。もうひとつは、社員数はそのままに生産性を0.7から1.05超に引き上げる。この2通りしかありません。

では、どちらがより現実的でしょうか。生産年齢人口の減少という、一企業ではどうしようもない現実のなかで社員数を増やすのは、難度が高そうです。しかし、生産性向上は企業側の工夫や知恵次第で解にたどりつけます。

長時間労働の原因

生産性は以下の数式で表せます。

生産性=成果÷時間

では、どのような工夫や知恵が生産性を上げるのか。「働き方改革」などで一般的に語られている生産性向上のイメージは、次のようなものです。

―これまで成果100に対して200時間の労働時間をかけていたのだとすれば、同じ成果100を180時間で達成しよう。そうすれば生産性は10%向上する。

これは、分母の「時間」を極小化していくことで生産性を上げようという考え方。「長時間労働を見直し、より短時間で成果を出しましょう」ということです。

結論を先に言うと、これでは生産性は大して上がらないでしょう。むしろ、下がる危険性すらあります。なぜなら、「労働時間短縮で生産性アップ」という考え方は、社員から見ると「給与カット」にすぎないからです。

この緊急提言の連載を通じて、日本人はいまだに集団管理型人事評価で給与が決められていること(緊急提言 #1「『きのうの人事』『あしたの人事』」)、経営者が「人件費」をコストと考えていること(緊急提言#2「人件費に投資しない『ケチな経営者』が陥る地獄」)といった、終身雇用・年功制のもとでは当たり前とされたふたつの考え方が、今日では逆に大きな経営リスクとなっていることを指摘しました。

こうした旧式の考え方のもとでは、日本人の給与は成果ではなく、労働時間の量で決められます。つまり、「コスト」である基本給は安く抑制されているので、それを埋め合わせるため猛烈に働き、長時間の残業を行うことで、安い基本給を埋め合わせる。こんな働き方です。集団管理型なので個人の成果は評価されないことも、長時間労働を助長します。

単位:購買力平価換算USドル、出所=OECD
カッコ内はOECD加盟35ヵ国における全体順位

「成長企業」に導く好循環

こうした状況のなかで分母である「時間」、つまり残業を減らすとどうなるか。

成果は同じで残業代はカットできるので、会社の利益は増えます。しかし、働き手の社員の給与は、残業代が減った分、減少します。これはコストカット、あるいは形を変えたリストラで会社の存続を図ろうとする縮小均衡経営そのものではないでしょうか。

そこには働き手にとって承服しがたい、大いなる矛盾も含まれています。働き手が減っていくなか、果たして、こうした経営に継続性はあるでしょうか。働き手の目に「魅力的な会社だな」「こんな会社で働いてみたいな」と映るでしょうか。

私が申し上げる「HRへの投資は未来への投資である」との提言は、これと対極にあります。

透明で納得性のある個別管理型の人事評価制度を導入し、個別目標を設定し、成果を出したら給与を上げる「仕組み」をつくる。これによって、採用に依存せずに生産性を上げる。そうした「働き手が“がんばれる”環境」を会社の風土・文化として定着させることで社外からも「魅力的な会社」として認知してもらい、生産性の高い優秀人材を獲得していく―。こうした好循環をつくりあげることが、生産年齢人口が減少するなかでも「拡大再生産」が継続する成長企業へと会社を導きます。

労働力=社員数×生産性―。いま経営者は、この数式と真摯に向き合う必要があります。社員数を生産年齢人口の推移に置き換え、それが増えない前提のなかで「労働力を確保」するには、数式の右の変数である生産性を上げていくしかありません。そのことに強い覚悟をもってほしい。それが私の心からの願いです。

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プロフィール
髙橋 恭介
株式会社あしたのチーム 代表取締役会長
髙橋 恭介 (たかはし きょうすけ)
1974年千葉県生まれ。東洋大学経営学部を卒業後、興銀リース株式会社でリース営業と財務に各2年間携わる。その後、設立間もないベンチャー企業であったプリモ・ジャパンに入社し、当時数十名だった同社を取締役副社長としてブライダルジュエリー業界のシェア1位、従業員数500名規模にまで飛躍させる。人事にも深く携わり、年間数百名の採用面接を実施、台湾子会社の代表を務めるなどベンチャー企業成長の最前線で活躍。2008年に株式会社あしたのチームを設立し、代表取締役に就任。


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