【対談】
「会社のカタチ」はどう変わるのか
#1 “リーダーの存在価値”は 「頑張れば報われる」の実現 Sponsored株式会社あしたのチーム

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“わかった風”のクールな態度であきらめるより、価値があるのは “今日よりもっといい明日をつくる”ことに必死になっているアツイ姿―。そんな「戦う経営者」ふたりに対談してもらいました。起業家から参議院議員、そして再び経営者という道を歩んだタリーズ創業者の松田さんと“あしたのチーム”代表の髙橋さんです。


“リーダー受難の時代”ではあるけれど…

―政治家や経営者といったリーダーは“幸せな社会”をつくるためにどんな役割を果たすべきか、何が求められているかをテーマに対談していただきたいな、と思います。

松田
ずいぶん大きなテーマですね。それを語るのに髙橋さんは適任だと思いますけど、私に務まるかどうか…(笑)。

髙橋
いえいえ。経営と政界の両方に当事者として関わった松田さんの濃いお話が楽しみです。

―お手柔らかにお願いします(汗)。ちょっと口を滑らかにしていただくため、こんなデータを紹介したいと思います。国連が毎年発表している「世界幸福度ランキング」2018年版です。世界156ヵ国・地域のなかにおける日本の順位は、バルト3国の“ラトビア”とアフリカの小国“モーリシャス”に挟まれた54位。上位3分1のグループに入っていません。この結果について、どう思われます?

松田
日本は世界的に見ても一定程度の豊かさや高いレベルでの安全・安心を実現しています。だけど幸福を実感しにくい社会、ということなんでしょうね。

日本人が幸福を実感できた時代は高度経済成長期なのかもしれません。池田内閣の所得倍増計画を出発点に奇跡と言われた経済成長が続きました。車、テレビ、エアコンという“三種の神器”を手に入れることが幸せのカタチとされ、そんな夢をみんなで共有し、実現していった。それが個人の視点から見た高度経済成長期という時代です。

髙橋
個人の幸せと社会の目標が合致し、「頑張れば報われる時代」だったと言えますね。

高度経済成長期以降も時代ごとにさまざまな幸せの尺度があったと思います。だけど「頑張れば報われる」から「頑張っても報われない」社会になっていった。だから「この先、いいことは起きないんじゃないか」「ダメ、ムリ」。そんな閉塞感を持つ人が多くなったんじゃないでしょうか。

松田
確かに、いまは高度成長期のように社会の目標と個人の夢を合致させるのは難しい時代ですね。一定程度の豊かさを実現し、“三種の神器”のような「物欲を満たす」必要がなくなったことを背景に、個人の夢は多様化、細分化していますから。

でも、時代の大きな変化と「頑張っても報われない社会」になってしまっていることとは切り離して考えなければいけませんよね。当たり前ですが、頑張った人は報われるべき。そうなっていないのだとしたら、やはり社会的リーダーの責任なのではないでしょうか。社会的リーダーとは政治家や経営者のことです。リーダーは夢の実現を託されているのですから。

髙橋
黎明期から成長期、成熟期、そして衰退期になるというサイクルがあるのなら、超長期サイクルで俯瞰すると日本社会は衰退期に入っているのかもしれません。前例や過去の成功体験は役に立たず、指針を見出しにくいのが衰退期です。舵取りが難しい“リーダー受難の時代”ですね。

松田
確かにそうだと思います。だからこそ、リーダーたちはあきらめないで本気にならなければいけません。

「脱・衰退期」は可能か

―どんなことに本気になればいいんですか?

松田
政治の世界で言うと、衰退期を脱却して次の黎明期の幕を開けるために政治家が本気になって取り組むべき仕事は規制緩和です。規制緩和で生まれた新しいサービスは新しい産業と新しい雇用をつくりだすからです。そこから何兆円、何十兆円規模の新産業が育つ可能性だってあります。

規制緩和は縮小している“社会の伸びしろ”を拡張し、社会を活性化させます。医療・農業・エネルギーなど、規制緩和を推し進めるべき巨大な既存産業はたくさんあります。しかし、政治家は本気で規制緩和をやろうとはしていません。

髙橋
どうしてですか?

松田
変革を起こされたら困る既得権益層と結びついているからです。

政治家に“票と政治資金”を提供している既存産業の業界団体は、新規参入が増えたり、従来の業界秩序が壊されるような規制緩和に反対します。そのため、政治家は自分を支援してくれている業界の意向を“忖度”し、難癖をつけたり、骨抜きにしたりして規制緩和の抵抗勢力となってしまう。そんな構図があります。

政治家は国民を代表するリーダーであって、特定業界の代理人ではないはずなのですが。

タリーズコーヒージャパン創業者で前参議院議員の松田さん

髙橋
その点、経済のリーダーである経営者には政治家と違って選挙の心配は不要です。衰退期を脱し、“幸福な社会”を再構築するためには、良質なリーダーシップを発揮できる経営者の役割は政治家と同じくらい大きいでしょうね。

松田
そうですね。経営者は規制緩和こそできないものの「頑張れば報われる会社づくり」を進めることはできます。「働き方改革」で経営の舵取りは一層難しくなりますけれど、働く人も経営者も頑張れば報われる。そんな会社づくりが求められていくんじゃないでしょうか。

やり遂げたい“夢”

―松田さんと髙橋さんは、経営者としてどのようにして幸せな社会づくりに貢献したいと考えているんですか?

松田
そうきましたか。エラそうなことを言っておいて自分はどうなんだという“ブーメラン”の質問ですね(笑)。

―いえいえ…(汗)。

松田
大それたことはできないし、やれることをコツコツとやっていくことしかできませんけれど、私にはやり残した大きな夢があるんですね。その実現にこれからの人生を懸けて、みんなが幸せを感じられる社会づくりに少しでも貢献したいなと思っています。

髙橋
どんな夢があるんですか。

松田
日本の素晴らしい文化を“輸出”することです。

私は父の仕事の関係で海外で育ったんですが、小さい頃、日本文化にひっかけてバカにされることがあったんです。「オマエは生で魚を食べるのか? おかしなヤツだな」とかね。いまでこそ「Sushiが大好物」「Sashimi大好き」と目を輝かせる海外の人はたくさんいますけど、私の幼少期はまだそんな時代でした。

百歩譲って、私自身がからかわれるのは容認できても、日本文化がバカにされることは許せませんでした。「いまに見ていろ、日本の良さをわからせてやる」と思い続けていました。それで、割と小さい時から日本の文化を海外に輸出する仕事をしたいと思い続けていたんです。

髙橋
アニメや和食などは、相当、世界で認知されるようになりましたけれど、日本文化ってそれだけではありませんよね。

松田
そうですね。私が起業したのも「もっと日本の素晴らしさを海外の人に知ってもらいたい」との想いからでした。いろんないきさつや縁があって、実際にはアメリカのコーヒー文化を日本に紹介するビジネスで起業したので、順序が逆になっちゃいましたけど(笑)。なかなか自分がやりたいことをやれないのが人生ですが、最後に自分が本当にしたいと思った初心を成し遂げたいですね。

髙橋
松田さんの根本にあるのは「日本文化を世界に知ってもらう」ことなんですね。

松田
ええ。宗教対立が典型だと思うんですが、異文化を認め合い、お互いに尊重し合わないと、いつまでもいがみ合いが続きます。自分たちのことを知ってもらい、相手を理解することが平和で幸せな社会をつくりあげるスタートラインなんです。世界から戦争がなくならないのは相互理解が欠けているから。そんな負の連鎖は、いい加減に終わらせたいですよね。

それに、フランスやイタリアなどを見ればわかりますけれど、世界から「素晴らしい」と言われる文化を持っている国は縮小しても衰退することはありません。だから、日本の素晴らしい文化を知ってもらえるビジネスをつくりたいという想いがあります。そんな夢をこれからも追い続けていきます。

髙橋さんは経営者としてどんな夢をもっているんですか?

「頑張った人が報われる」仕組みをつくる

髙橋
私の夢は経営者が温かいまなざしで社員と向き合い、そこで働く人たちは充足感を持てる。そんな、誰もが希望を持つことができ、幸福を感じられる社会の実現に貢献することです。だから人事評価制度という事業で起業したんです。

あしたのチーム代表の髙橋さん(右)

松田
なぜ、人事評価制度がそうした社会づくりに寄与するんですか。

髙橋
私が普及したい人事評価制度は、働いた人が頑張れば頑張った分だけ評価され、給与が上がる、絶対評価の人事評価制度です。頑張れば評価されて給与も上がるとなれば「次はもっと頑張ろう」と思いますよね。その結果、会社としての生産性や業績も好循環のスパイラルを描きます。

逆に、頑張ったのに評価されない。そんな環境で人は頑張り続けられません。充実感がなく、生活のために働いているだけの人にとって、働くことは苦痛以外のなにものでもありません。「仕事はテキトーに」「怒られないように前例通りにやっていればいいや」となってしまい、新しいチャレンジをする人材は生まれません。会社も沈滞します。

松田
なるほど。髙橋さんのお話を聞いて、私が起業する以前に勤めていた銀行員時代のことを思い出しました。

当時は毎日夕方4時までに支店に戻らなければいけない、という規則がありました。ある時、外回りで訪問した取引先の会社の近くに、まだ取引できていない有望な会社がありました。でも、その会社を訪問すると時間的に夕方の4時に間に合わなくなる。一瞬、どうしようと思いましたが「成果を出せば問題ないだろう」と思って飛び込み、取引していただけることになったんです。

銀行に戻ったのは夕方4時を5分くらいすぎた頃。新規開拓できたので意気揚々で上司に報告しました。けれど、思いがけないことを言われました。

髙橋
何を言われたんですか?

松田
「帰社時間に間に合いませんでしたが、新規のお取引を頂戴しました」と報告すると、上司から「そんなことより社内ルールの方が重要なんだ!」と一喝されたんです。

「あぁ、そうか」と。銀行という組織は頑張って新規の取引を開拓してくるより、社内ルールみたいな上意下達の決まりを粛々と守ることに重きを置くんだと。機械の部品のように、決められたことを決められた通りにやる。自発的な頑張りなんか考えずに、ただ黙々と働く。そんなことが求められているんだなと。「なんなんだ、これは」と思いましたね。

髙橋
出る杭にならずソツなくこなせ、成果よりも年功序列…。銀行でなくても似たようなエピソードはほかの会社にもありそうですね。

松田
最近、メガバンクの大量リストラが大きなニュースになりましたよね。新しい取り組みにチャレンジして成果を出そうという個人の頑張りを評価しない組織は衰退期から抜け出せないということなのかもしれません。

日本はゼッタイ変わる!

髙橋
だからこそ、経営者にとっても人事評価制度は必要なんです。どうやって社員と向き合っていくのかは経営のすべてと言っていい。人事評価制度はそのよりどころであり、モノサシです。評価制度がないところに経営者の幸せも存在しません。雇用される側、雇用する側双方にとって人事評価制度はなくてはならないもの。言い換えればすべての働く人にとって、人生を豊かに幸せにしていくためのツールが、人事評価制度なんです。

―夢を持つこと、志を持つことが世の中を活性化し、社会と個人を豊かにしていくんですね。おふたりのアツイ対談を聞いて、いっぱい汗をかかせてもらいました。

松田
時代とともに夢のカタチはもっと変化していくでしょう。でも、夢をもてない社会に明日はありません。そう思いますよ。

髙橋
同感です。人事評価制度サービスが当たり前に存在するものと受け入れられ、産業・市場と認知されるようになった時、日本は変わると私は信じています。

 

プロフィール
タリーズコーヒージャパン創業者 前参議院議員
松田 公太 (まつだ こうた)
1968年生まれ。5歳から17歳までの大半を海外で過ごす。90年筑波大学卒業後、三和銀行(現・三菱UFJ銀行)を経て、97年にタリーズコーヒー日本1号店を創業。翌年タリーズコーヒージャパン株式会社を設立。2001年に株式上場を果たす(2004年MBOにより非上場化)。300店舗超のチェーン店に育て上げ、2007年同社社長を退任。同年、世界経済フォーラム(ダボス会議)にて「Young Global Leaders」の1人に選出される。2008年、シンガポールへ拠点を移し、飲食事業を中心に数々のビジネスを手掛ける。2009年、Eggs ‘n Things (エッグスンシングス)の世界展開権(米国除く)を取得し、EGGS ‘N THINGS INTERNATIONAL HOLDINGS PTE. LTDをシンガポールに設立。日本では2010年に原宿1号店をOPENさせ「パンケーキブーム」の火付け役となった。同年、参議院議員選挙で初当選(東京選挙区)。2016年の議員任期満了後は、飲食事業の海外展開や自然エネルギーの事業など精力的に活動中。主な著書に「愚か者」(講談社)、「すべては一杯のコーヒーから」(新潮社)などがある。

プロフィール
株式会社あしたのチーム 代表取締役会長
髙橋 恭介 (たかはし きょうすけ)
1974年、千葉県松戸市生まれ、千葉県立船橋高校出身。東洋大学経営学部卒業後、興銀リース株式会社に入社。リース営業と財務を経験する。2002年、創業間もないベンチャー企業であったプリモ・ジャパン株式会社に入社。副社長として人事業務に携わり、当時数十名だった同社を500人規模にまで成長させ、ブライダルジュエリー業界シェア1位に飛躍させた。 同社での経験を生かし、2008年、株式会社あしたのチームを設立、代表取締役に就任。現在、国内47全都道府県に営業拠点、台湾・シンガポール・上海に現地法人を設立するまでに事業を拡大。1200社を超える中小・ベンチャー企業に対して人事評価制度の構築・クラウド型運用支援サービスを提供している。給与コンサルタントとして数々のセミナーの講師も務める。



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