「起業家精神」と「経営の自主性」を尊重するファンド
いま、投資市場はスタートアップ企業に熱い視線を送っています。ただ、「そればかり」になっていませんか? 成長を追求し、そのための出資を求めているのはスタートアップ企業だけではありません。本企画では、設立からの長い戦いを経て、なおベンチャースピリットを失わず、さらなる成長をめざす「大人ベンチャー」を取材。その成長戦略のリアルに迫ってきました。
 今回は、成長意欲をもつ中小企業を大人ベンチャーへと導くグロース・キャピタル・ファンド、WMパートナーズ代表の徳永さんに聞く特別企画の後編です。経営者から寄せられた悩み相談に答えてもらう形式で、グロース・キャピタル・ファンドが入るメリットを解説してもらいます。成長のための方法論を探している経営者、必見です!

経営課題を解決する伴走者

 

――前回、読者相談に対して徳永さんに答えてもらった内容をみると、通常の「ファンドから出資を受ける」というイメージと、グロース・キャピタル・ファンドの場合は相当に違うのがわかりました。なにがその違いを生んでいるのか、改めて解説をお願いします。

 

グロース・キャピタル・ファンドは、起業から10年程度経過して、事業がきちんと成立しているステージの成長企業に対して投資を行います。スタートアップ段階の企業が対象のベンチャーキャピタルとも、成熟した企業を対象にするバイアウトファンドとも立ち位置が異なるわけです。黒字の会社も多いので、資金調達についていえば、銀行からお金を借りることもできる会社です。

 

ただ、「さらに会社の事業を大きくしていこう」としたとき、さまざまな経営課題がある。たとえば、「新規事業を立ち上げていくために社内の人的リソースが不足している」あるいは、「その方法論がわからない」というケースもあります。「企業規模が大きくなっていくなかで、これまでの人事組織を変えなくてはいけない」ということもあるでしょう。

 

それらの、経営者として次のステージに向かっていくための経営課題を、パートナーとして伴走しながら解決をめざすのがグロース・キャピタル・ファンドです。

 

――資金を出してくれるだけでなく、課題解決の相談に乗ってくれるわけですね。

 

そうです。単純にお金を提供するだけではなくて、企業における経営課題を一緒にひもといて、必要な施策を決めていく。相談に乗るだけではなく、具体的な解決策を提供していきます。

 

――なぜ、そこまで親身になれるのですか。

 

ひとつのファンドについて、投資する会社の数が少ないことが関係していると思います。たとえば100億円のファンドだったとして、ベンチャーキャピタルであれば、おそらく数十社くらいに分散投資するはずです。「そのなかの数社が特大ホームランを打てば、あとは極端な話、三振してもかまわない」という考え方です。

 

それに対して、私たちは1ファンドで20社程度です。1社に対する投資金額が大きいので、それぞれの経営課題にコミットし、きめ細かなサポートをすることができます。投資対象がミドルステージの会社なので、ホームランはそもそも出にくい。「三振しないよう気をつけながらヒットを積み上げていく」という考え方です。こうした考え方でサポートしているので、私たちの投資先で、倒産した会社はこれまでにありません。

 

グロース・キャピタルの特徴がわかる対談
https://inouz.jp/times/wmpartners/special-1/

 

投資するかどうかの重要基準は「変化への対応力」

 


[読者の悩み相談③個人資産の獲得]

従業員14名の会社を運営しています。現場は社員にまかせて経営に専念していましたが、経営の一部をまかせられる人財を獲得することができたので、私自身は家族との時間を増やしたいと考えています。そのため、持ち株を売って、個人資産を増やしたいのですが、手ばなすと経営の自主性が失われないか心配です…。


 

──「持ち株を現金化したいが、オーナーシップを手ばなせないのであきらめている」というケースは多いと思います。ファンドの出資を受け入れるかどうか検討するとき、経営者がいちばん懸念するのが「経営の自主性を失う」こと。グロース・キャピタル・ファンドでも、その点はほかのファンドと変わらないのですよね。

 

いいえ。経営者の方にできるだけ株式を多くもっていただくことが重要と考えています。むしろ、経営者の方に株式をきちんともっていただくことを投資の条件にしています。私たちは、マイノリティ投資が中心。過半数以上の株式を譲り受ける投資や、事業承継の際に投資するケースでも、経営者の方に株をもっていただくようにしています。最近では、比較的若い経営者の方から譲り受ける場合もありますが、その場合でも全株を譲渡していただくことはまれです。

 

──そうなんですね! なぜ経営者が株をもち続けることが重要なのか教えてください。

 

私たちが出資して、会社が成長軌道に乗って株価が上がったとき、経営者の方をはじめ株をもっている方々の全員が、その価値の上がったぶんをプロフィットとして得られる。このような体制があるからこそ、お互いが共通の目標に向かっていくことができると信じているからです。

 

私たちは業歴10年以上の会社に出資します。事業の方向性について、いちばんよく知っているのはその業界で長く、事業展開をがんばってきた経営者の方です。経営者の方を中心に事業を進め、さらに伸ばしていくための方法論をお手伝いするのが私たちの役割です。会社の主体は、あくまでも経営サイドにあります。

 

いま、日本で伸びている会社はどこかというと、ソフトバンクやユニクロ、楽天といった会社。つまり経営者がきちんとオーナーシップをもっている会社です。経営者が自社の株式をもち、経営にコミットしているからこそ、中長期で成長する戦略を立てられるわけです。

 

――なるほど。確かにオーナーシップをもたない大企業の経営者は、短期的な視野で、「役員の任期中にマイナスにならなければいい」という経営になりがちですね。では、グロース・キャピタル・ファンドの出資であれば、オーナー経営者が持ち株の一部を現金化して個人資産を得ることも可能になりますね。

 

その通りです。一般論として、経営者が株式を売却するということは、その会社の将来について「ネガティブに考えている」と思われがちです。企業価値をあげようと経営し、もっていれば価値が上がるはずの株式を売却するのは矛盾しますからね。

 

しかし、事実として、上場企業の経営者は自社の株式を売買しています。未上場企業の経営者は、上場企業と異なり、株式を市場で売却することができないので、「自分の会社の価値はどれくらいなのか」「果たして株式をいつ現金化できるのか」といった疑問や不安をもつ方が多いのではないでしょうか。私たちの投資事例でも、経営者の方が株式を一部売却し現金化されるケースが増えています。

 

――「ファンドの出資を受けるためには、自社についてファンド側にうまくプレゼンしないといけないが、うまく説明する自信がない」という経営者もいるのではありませんか。

 

ありのままの実情を話していただければ、それで大丈夫です。私たちが投資を実行するかどうかは、おもに3つの基準があります。1つ目は経営者、経営チームが優秀な人たちかどうか。2つ目はその会社のもっている製品、サービスの優位性、市場性。3つ目が、変化への対応力です。1つ目・2つ目はどんなファンドでもたいていは同じだと思います。3つ目の変化への対応力を重視しているのが、グロース・キャピタル・ファンドである私たちの特徴だと思います。

 

私たちの投資先は10年以上の社歴がある会社なので、たとえばリーマンショックのような不景気を経験してきている。いいも悪いも含めてどのような対応をしたのか、そこを見ていきます。たとえいま、赤字であったとしても、その理由を経営者がきちんと把握していて、この先どう伸びていくか戦略を描ける企業であれば投資を実行しています。

銀行が支援しない赤字企業に投資した

 

――銀行が融資をためらうような企業でも投資を実行するケースもあるのでしょうか。

 

あります。わかりやすい例でいうと、「昔のほうが売上は大きかったけれど、1社の大口顧客に対する依存度がすごく高かった。ここ数年は、ビジネスモデルや販売戦略を変更し、その1社に対する依存度が下がったため全体の売上は落ちたけど、新規のお客さまをきちんと積み上げている」といったケースです。売上が落ちて一時的に赤字になっていたとしても、伸びるべき事業が伸びているのであれば、そこを重視して投資判断をします。

 

――では最後に、成長意欲はあるけれど、成長の方法論がわからない経営者の方々にアドバイスをお願いします。

 

事業環境の変化や技術の革新のスピードが非常に速い世の中です。「なにか新しいことをしなければいけない」という意識は、ほとんどの経営者の方々がもっていると思います。でも、「だれに相談していいかわからない」、あるいは「自分だけでなにかを大きく変えていくのは難しい」ということもあるのではないでしょうか。私たちは、みなさんがさらなる成長へとギアをチェンジするために、課題とされている部分をなるべく最小コストで、なるべく短期間に変革していく支援をしています。

 

人にたとえるなら、健康のために自分ひとりでトレーニングしようと思っても難しいけれど、専門知識が豊富なトレーナーがアシストしてくれれば、短期間で大きな成果が出るのと同じです。WMパートナーズは、企業の経営者に伴走するよきパートナーになることをめざして、投資事業を行っています。すぐれた技術、すぐれたサービスをもっているのに、まだ世の中に知られていない企業の応援を、今後も行っていきたいと考えています。

WMパートナーズ株式会社

設立/2013年7月
資本金/3,000万円
事業内容/グロースステージ企業に対する投資事業
URLhttps://www.wmpartners.jp/


【 そのほかの記事 】
WM流“大人ベンチャー進化論”
グロース・キャピタル・ファンドとは#2

「起業家精神」と「経営の自主性」を尊重するファンド

Sponsored WMパートナーズ株式会社
2020/4/9
記事を見る
WM流“大人ベンチャー進化論”
グロース・キャピタル・ファンドとは#1

経営者とともに、中小企業を 大人ベンチャーに導く新機軸の出資者

Sponsored WMパートナーズ株式会社
2020/4/9
記事を見る
WM流“大人ベンチャー進化論”
特別対談#1

地域の埋もれた企業を元気にする “M&Aを使った成長戦略”という選択肢

Sponsored WMパートナーズ株式会社
2020/1/8
記事を見る
WM流“大人ベンチャー進化論”
特別対談#2

「地方×東京」の相乗効果を生む M&A戦略 で企業成長が加速する

Sponsored WMパートナーズ株式会社
2020/1/8
記事を見る
WM流“大人ベンチャー進化論”
アイエスエイ#2

ファンドを“情シス”として活用する新機軸で100年企業への道を突き進む

Sponsored WMパートナーズ株式会社
2020/1/7
記事を見る
WM流“大人ベンチャー進化論”
アイエスエイ#1

半世紀の経験の蓄積を糧に 新たな出資者を迎えて飛躍をめざす

Sponsored WMパートナーズ株式会社
2020/1/7
記事を見る
WM流“大人ベンチャー進化論”
エイスリー#2

「社長の不得意分野をやってくれる」そんな存在が継続成長を支える

Sponsored WMパートナーズ株式会社
2020/1/7
記事を見る
WM流“大人ベンチャー進化論”
エイスリー#1

経営者としての自分に目覚め、企業成長の方法を知る協力者を探した

Sponsored WMパートナーズ株式会社
2020/1/7
記事を見る
WM流“大人ベンチャー進化論”
ソノーラテクノロジー#2

外部からの客観的な視点が新たな成長戦略を生み出す

Sponsored WMパートナーズ株式会社
2020/1/7
記事を見る
WM流“大人ベンチャー進化論”
ソノーラテクノロジー#1

ニッチトップの技術系ベンチャーがさらなる成長のためにグロース・キャピタル・ファンドと組む

Sponsored WMパートナーズ株式会社
2020/1/7
記事を見る
WM流“大人ベンチャー進化論”
ギークス#2

社歴の長いベンチャー企業には「経験」という武器がある

Sponsored WMパートナーズ株式会社
2019/7/15
記事を見る
WM流“大人ベンチャー進化論”
ギークス#1

「2度目のIPO挑戦は長期戦」社長の覚悟を支えた出資者の存在

Sponsored WMパートナーズ株式会社
2019/7/15
記事を見る
WM流“大人ベンチャー進化論”
日本インプラント#2

人脈力のあるファンドを味方にシニア市場で強固な地歩を築く

Sponsored WMパートナーズ株式会社
2019/7/15
記事を見る
WM流“大人ベンチャー進化論”
日本インプラント#1

個人商店から脱却するために“よき理解者”から出資を受けた

Sponsored WMパートナーズ株式会社
2019/7/15
記事を見る
WM流“大人ベンチャー進化論”
特別対談#2

「誕生期から壮年期まで」の支援充実で、ニッポン・ベンチャーの逆襲がはじまる

Sponsored WMパートナーズ株式会社
2019/7/1
記事を見る
WM流“大人ベンチャー進化論”
特別対談#1

「誕生期」も「壮年期」もベンチャーが成長できる仕組みを

Sponsored WMパートナーズ株式会社
2019/7/1
記事を見る
WM流“大人ベンチャー進化論”
レッドフォックス #2

グロースキャピタルの支援を得て 世界制覇の覚悟を決めた

Sponsored WMパートナーズ株式会社
2019/7/1
記事を見る
WM流“大人ベンチャー進化論”
レッドフォックス #1

世の中にない画期的アプリ拡販へ 株主構成をピボットした

Sponsored WMパートナーズ株式会社
2019/7/1
記事を見る
WM流“大人ベンチャー進化論”
シャノン #2

社長が「もういいや」と思うまで会社は無限に成長するんです

Sponsored WMパートナーズ株式会社
2019/7/1
記事を見る
WM流“大人ベンチャー進化論”
シャノン #1

「資金不足⇒営業力不足」の 無限ループを新発想の調達で脱出

Sponsored WMパートナーズ株式会社
2019/7/1
記事を見る

【 そのほかの記事 】