「社長の不得意分野をやってくれる」そんな存在が継続成長を支える
いま、投資市場はスタートアップ企業に熱い視線を送っています。ただ、「そればかり」になっていませんか? 成長を追求し、そのための出資を求めているのはスタートアップ企業だけではありません。本企画では、設立からの長い戦いを経て、なおベンチャースピリットを失わず、さらなる成長をめざす「大人ベンチャー」を取材。その成長戦略のリアルに迫ります。
 今回は、企業がイベントや講演などにタレントを招くときの窓口となるキャスティング会社である、エイスリーの後編です。代表の山本さんは、「経営者としての自分の能力に限界を感じていた」といいます。そうした悩みをもつ社長は、じつは多いのではないでしょうか。その壁を山本さんが突破できたのは、グロース・ファンドという新しい形態のファンドの協力を得られたから。山本さんが不得意とする分野をおぎなってくれる、最高のパートナーを迎えて、どのような変化が起きたのか。ありのままを語ってもらいました。

買収側の社長がキラキラ輝いて見えた

──山本さんは「会社を大きくしていく社長の器が自分にあるのか」と悩み、会社売却を真剣に考えていたそうですね。そこから、どうしてWMパートナーズの資本参加を得ることになったのか、いきさつを聞かせてください。

 会社売却の話し合いは、ある程度、進んでいました。会社を買い取りたいというオファーも多くいただき、買い取ってくれる側の企業の社長と食事をする機会を複数回、設定してもらっていた。名だたる上場企業の社長さんです。彼らとお会いしてみると、みなさんキラキラ輝いているんですよ。

自分のチカラで会社を上場させた人たちって、こうなのか。それに比べてこっちは買われる側。「負けた感」を感じました。そのとき、「もうちょっと自分でがんばってみようか」と考えるようになりました。

それを証券会社の方にお話ししたら、「グロース・ファンドというものがある。山本さんにぴったりでしょう」といわれたのです。それでWMパートナーズの方々とお会いすることに。私は人づきあいにおいては、すごく慎重派。人材採用で、多い人は5次6次の面接までやって、本当に噛み合わないと採用しないぐらい。

しかし、初めて会ったとき、「応援します」といわれて。「この人たちは人間的に信じられるな」と感じたのです。

初めてお会いしてから、WMパートナーズとは、エイスリーの事業戦略や経営課題についていくどもディスカッションし、エイスリーの成長戦略を一緒に考えてもらいました。経営者としての私の独立性を保ちながら、できないことを支援してくれる。

「苦手分野がはっきりわかっている自分にとって、このカタチはいいかもしれないぞ」。そのことをはっきり感じることができたのでパートナーとして迎え入れることを決めました。

──山本さんの苦手分野とは、具体的にどのようなことですか。

私は感覚でものごとを判断しがちで、同じ業界にいる期間が長いので、客観的に自社を分析するのが難しい状況にありました。WMパートナーズはエイスリーを客観視して、いろいろな経営データを出して分析してくれます。

そのうえでアドバイスをくれるので、非常に助かります。また、単純に「相談できる」だけでもありがたいですね。私には経営者の友人があまりいないので、これまで経営のことで悩んでも相談できる相手がいませんでした。そういう点でも、とても心強い存在です。

社長の意識が変わり、社員が変わった。

──WMパートナーズが入ることで起きた変化を教えてください。

WMパートナーズとともにIPOをめざすことになったことがきっかけとなって、上場のための経営体制がどんどん構築されていっています。顧問税理士・弁護士をはじめとする外部専門家を新たに活用するとともに、社内体制についても、「経営企画室長を置くべき」という提案を受けました。

それまで「経営企画室長」がなにをする人か知らなかったのですが(笑)。求める人物像のすり合わせをていねいに行ってもらい、紹介された候補人材のなかから最終的には採用を決めました。入社後も、WMパートナーズから継続的に支援してもらい、いまではタイムリーに事業の進捗が把握できるようになり、新たな打ち手が考えられるようになりましたね。

また、事業成長のためには、組織の強化が必要だということで、リーダー研修の導入を提案してくださったのもWMパートナーズです。エイスリーでは「インフルエンサー」「YouTuber」「ジャパンカルチャー」「プロフェッショナル」といった具合に、キャスティングする対象の分野ごとに専門チームを編成し、それぞれにリーダーがいます。

リーダーはみな優秀だし、いろいろ経験を積んできています。でも、みな若く、マネジメント経験ははじめてでした。研修をするとそれぞれ足りない点もあると気づく。それを克服することでリーダーが成長するとチームの力も底上げされていく。当然、会社全体が成長していく。「なるほど」と思いました。

──山本さん自身については、なにか変化はありましたか。

意識が変わりました。腹が決まったというのかな。WMパートナーズは、しっかりと目標を設定して、それを共有してくれます。「いつまでに結果を出しましょうね」という。私の背中にガチャッとロケットブースターを装着してくれた感じです(笑)。もうこれは、飛ぶしかない。

私が変わったことで、社員に緊張感が生まれました。キャスティング会社としてはじめて株式上場をめざすと公言したことで、会社のなかに「よし、やってやろう」という意識がめばえましたね。IPOを果たせば、もっと世の中に“キャスティング”が知られて、もっと世の中の役に立てる。さらにおもしろい仕事ができるようになる。そういう部分に魅力を感じているのだと思います。

──よき経営パートナーを得たことで、社長も社員も意識変革を果たし、IPOへ向けて団結して進んでいるのですね。では、今後の成長戦略を聞かせてください。

大きく3つあります。まずひとつが、SNS、YouTube、TikTokといった新しいメディアの台頭により、人々が好きになる“有名人・著名人”が激しく変化していくなか、当社がそれら新しい人たちから、いわるる「The芸能人」まで、あらゆるジャンルの“有名人・著名人”を徹底的に把握し、起用したい方たちとの間に入り、最適なマッチングを行えるプラットフォームになる。

2つ目は国内だけではなく、海外にもマッチングの対象を広げていくこと。日本の有名人・著名人を海外の広告やイベントにキャスティングしたり、海外の有名人・著名人やインフルエンサーを日本企業とマッチングする事業を行っていきます。キャスティングのグローバル展開ですね。すでに海外対応のチームも動いています。

3つ目は、キャスティング以外の事業への進出です。たとえばエンタメ業界に特化した人材紹介ビジネス。あるいは、タレントたちのセカンドキャリア支援。一般社会と業界をつなぐ、新しいサービスを展開していくことが、成長戦略のひとつと考えています。

新事業展開のためには、すでにそのサービスを展開している会社、あるいはそのサービスを展開しようとしている会社とあらゆる提携の可能性を模索しています。場合によっては資本提携により私たちの仲間になってもらい、事業を一緒に拡大していきたいです。私たちも資本提携できるまでの規模に成長したということですね。

まさかそんなことになるとは、夢にも思っていませんでした(笑)。業務提携についても、WMパートナーズにいろんな会社を紹介してもらっていますし、その会社とのディスカッションに参加してもらうなど、伴走してもらっています。たぶん私ひとりではどうやったらいいのかわからなかったと思いますが、WMパートナーズのサポートで話が進んでいます。

「自分ができないこと」に早く気づくことが大事

──最後に、「会社を成長させたいが、その方法がわからない」という経営者に向けて、メッセージをお願いします。

社長が不得意なことをカバーできるような、会社の組織をつくることかな。苦手な部分をがんばって社長ひとりでやってしまうと、成長がにぶると思うんですよ。私自身は、自分が苦手な部分をサラリーマン時代からわかっていたので、人材を採用する時も「私ができないことをできる人」を選びました。ファンドにしても同じ。

「私が苦手な部分をすべてカバーしてくれる」から、WMパートナーズを選びました。だから経営者が「自分ができること」「できないこと」に早く気づくことが大事かもしれませんね。

シンガーのマネージャーをやっていたころは、「スターにしたい」と必死になっていました。いま経営者になって、必死になる対象が「会社」になっただけで、想いは同じ。アーティストをスターにするにはどうしたらいいか。敏腕プロデューサーがいる、ヒットを生み出す作曲家がいる、ジャケットを撮影する人がいる。もしそれらの役割をぜんぶ、社長ひとりがやっていたら、ブレイクするのに遠回りしすぎると思うのです。

──では、山本さんの得意分野はなんですか。

妄想、想像、アイデアを出すのはもともと好きなのですが(笑)、あえていえば人財採用でしょうか。優秀な社員を集めることは、うまくいっているのかもしれません。会社への応募数がとても多い、そこはとてもうまくいっているのかもしれません。というのも、世の中にはミーハーな人、オタクな人って想像以上にいるんですよ。

土日はアニメづけの銀行員とか、アイドルを追っかけてる大企業の社員とか…。隠してるだけです(笑)。でも、そういう人たちがいまの立場を投げ捨てて、アニメの制作会社に入ったり、芸能プロダクションの社員に転職することは、なかなか勇気がいりますよね。世界が違いすぎますから。

ところがエイスリーは、一般社会とギョーカイとの仲介役のポジション。一般の人たちが連絡しやすい会社でないといけないので、「ギョーカイっぽくない普通の会社」をめざしています。たとえば残業はギョーカイに比べると格段に少なく、休みをしっかり取れます。

そのうえで、「あらゆるジャンルの有名人・著名人、インフルエンサーやYouTuberまで、すべてを手がける会社ですよ」と募集をかけると、「アニメが心底好きです」「アイドルが大好きです」「芸人をめざしていたけどあきらめたんです」といった方たちがたくさん応募してきてくれます。

どなたもミーハーで、好きなジャンルがあるだけでなく、一般社会でしっかり仕事をされてきた方が多く、コミュニケーション力がとても高い。そういう方が月300名くらい応募してくれて、毎日3人程度面接。

そのうえで「この人だ!」と思った人しか採用しない。人財採用だけは手を抜かず、しっかりやってきた。それだけは自信があります。社長がいちばん、バリバリ目立っている会社は大きくならない。だから私は、あまり目立たないようにしています。裏方に徹して、社員みんながスターになってくれればいいなと思っています。

株式会社エイスリー
設立/2008年10月
資本金/1,000万円
売上高/14億2,000万円(2019年9月期)
従業員数/45名
事業内容/総合キャスティング事業、芸能・エンタメ業界に特化した人材紹介事業、元芸能人・アイドル・インフルエンサーなどのセカンドキャリア支援事業、メディア事業
URL/ http://herocasting.jp/


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