「誕生期から壮年期まで」の支援充実で、ニッポン・ベンチャーの逆襲がはじまる
設立からの長い戦いを経て、なおベンチャースピリットを失わず、さらなる成長をめざす。そんな「大人ベンチャー」を取材、成長戦略のリアルに迫る。本企画のイントロダクションとして、「大人ベンチャー」へのグロースキャピタル投資で国内トップクラスの実績を誇るWMパートナーズ代表の徳永さんと、自らのベンチャー経験をもとにスタートアップ企業へのエンジェル投資を展開する千葉さんとの対談をお届けします。
徳永さんはベンチャーの壮年期、千葉さんは誕生期と、支援する段階は違えども、ともにニッポンのベンチャー・エコシステムの充実のための一翼を担っています。GAFAのようなメガ・ベンチャーがなかなか出てこないニッポンのベンチャー・エコシステムをどのように変えていけばいいのか、理想の未来像を、おおいに語りあってもらいました!

東京がベンチャーの聖地になる可能性

徳永 いま、シリコンバレーやイスラエルのベンチャー・エコシステムの充実ぶりが注目されてます。「それに比べて日本は…」といわれることもありますよね。

 

千葉 ありますね。でも、果たして日本のベンチャー・エコシステムは、世界に比べて劣っているのでしょうか。私はそうは思わないんです。

確かに、“GAFA”のような世界的メガ・ベンチャーがなかなか出てこない。「世界で戦う」という部分は、日本のベンチャー企業はもっと意識していく必要はあると思います。でも、それは見方を変えれば、日本は「世界に出なくてもやっていける」環境だということ。人口が1億2,000万人もあり、その大半が、世界標準でみれば豊かな暮らしをしている。つまり巨大な市場が存在しているわけです。しかも島国で、日本語という独自の言語でコミュニケートしている。外国企業にとっては参入障壁が高い。だから、国内のベンチャーが日本語でのサービスをしっかり構築すれば、食うに困りません。株式上場もできるし、1,000億円企業もつくれる。となると、世界に目がいかないんです。

 

徳永 私も同感です。これがシンガポールだったり、イスラエルだったりすれば、国内市場が小さいので、必然的にグローバルで戦うしかないわけです。

 

千葉 日本についてネガティブな見方が多いのは、国家として人口減少や高齢化といった課題に直面していることがあります。でも、「東京」という単位でみれば、人口は増えているし、観光やビジネスで訪れる外国人も多い。「2030年時点でも、東京は世界で3本の指に入る都市であり続ける」という見方が大勢です。

そして、ベンチャー・エコシステムとしての東京の優位性は、東京証券取引所マザーズがあること。売上高が少なくてもIPOできる。言葉を選ばずにいうなら、「こんなにIPOしやすい都市はない」。世界的に見ても、こんなにスタートアップに適した場所ってないですよね。私があえて東京という場所を選んで投資家としての活動をしているのは、そこに着目したからです。近い将来、「世界中の起業家が東京に集まってくる」という時代がやってくると思っています。

 

ドローン実用化に欠かせない中小企業のチカラ

徳永 ワクワクする未来ですね。その未来を現実のものにするために、私の立場から2点、いっておきたいことがあります。ひとつは、日本の中堅中小企業を近代化することが喫緊の課題だということです。たとえば、航空機を飛ばすための技術を見たとき、町工場から調達している部品がたくさんあります。千葉さんが共同購入したホンダジェットだって、そうでしょう(笑)。

いま、経産省が「日本にユニコーン企業をつくろう」と旗を振っています。それ自体はよいことですが、スタートアップへの支援ばかりがクローズアップされるきらいがあります。既存の中堅中小企業へのサポートが希薄になりがちなんです。もっとそこへの支援を充実させるべきです。「中堅中小企業を大人ベンチャーに」という流れですね。

 

千葉 確かにそうですね。眠れる中堅中小企業は日本の財産です。私のドローン支援の輪のなかに、岡山の老舗メーカーが加わってくれています。社長は4代目だったと思います。そんな古い社歴をもつ企業が、ドローンを飛ばすために貢献しようとしてくれている。そういう動きが、日本を変えていくでしょうね。

徳永さんのところでは、社歴の長い企業に、資金面以外に、どんな支援を提供しているのですか。

 

徳永 たとえば“人的リソースのプール”があります。ベンチャー精神にとみ、事業をつくる能力をもつ優秀な人財はスタートアップを好む傾向があります。従って、大人ベンチャーは採用力が弱い。そこで私たちは、「フリーランスのCTO」や「フリーのマーケティング担当者」といった人財をプール。そこからベンチャー企業へ派遣して、一時的にポストを埋める、という支援をしています。企業はその間に新たな人財を採用したり、事業の立ち上げに集中することができます。

IPOとM&Aに続く「第3のエグジット」を提案

千葉 大人ベンチャーにとってはありがたい支援でしょうね。では、徳永さんが伝えたい、第二の点はなんでしょう。

 

徳永 お金を循環させるための新たな思考が必要だということです。国内のベンチャー・エコシステムを資金の供給という視点でみると、従来は金融機関系のベンチャーキャピタルが多かったのに対して、独立系が台頭し、加えてコーポレート系、大学系、分野特化型ベンチャーキャピタル、最近では機関投資家なども参加するようになり、すそ野が広がりました。投資額が積み上がる一方で、IPOできる会社はひと握り。そして、まだまだ国内のM&Aは少ないという状況。これでは投資された資金が循環していきません。

私自身はそういう言葉を使いませんが、「IPOやM&Aなどファンドが期待するエグジットまでは遠いが、事業は継続している」という状態にある投資先企業のことを「リビングデッド」といういい方をすることがあります。ファンドからすれば時間切れかもしれませんが、企業には売上があり、従業員がいらっしゃるわけです。

「だったら私たちが、ファンドが売却したい株式を譲り受けますよ」というのがWMパートナーズの提案です。ファンドにとって、IPOでもM&Aでもない第3のエグジットになります。そうすればお金が循環し、ベンチャー・エコシステムがより充実するはずです。ファンドの期限切れに限らず、「事業会社から出資を受けたもののシナジーが薄く、資本関係が足かせになっており資本提携を解消したい」という話も増えています。

 

千葉 それはベンチャー企業の経営者にとっても魅力的な提案ですね。私自身もベンチャー企業に在籍していた当時、「株主構成を変えたいな」と思ったことがあります。たとえば「エグジットのイメージは明確にあるものの、あと2~3年ほど時間が必要」と経営者が考えている。でも、株主であるファンドは「2年も待てない。いますぐエグジットを」と。こんな場合に、そのファンドの持ち株をWMパートナーズさんが買い取れば、ファンドにとってはエグジットになり、経営者は3年かけてエグジットを追求できる。すばらしい提案だと思います。

新たなプレイヤーを参入させて日本を変える

徳永 最後に、千葉さんの伝えたいことをお聞きしたいです。

 

千葉 私はいま、自分自身が取り組んでいる活動についてさまざまなメディアに露出して話すことで、いろいろな起業家や既存企業、投資家、支援者に、ベンチャー・エコシステムへ興味をもってもらうことに貢献しようとしています。今日、徳永さんと対談したのも、じつはその一環なんです(笑)。さまざまなプレイヤーが、どんどん参入してきてほしい。私ひとりでできることって、大変限られていますから。かかわるプレイヤーが増えて、ベンチャー企業を広くサポートしていくシステムが日本に構築されていったら、日本は確実に変貌を遂げていくでしょうね。

 

徳永 同感です。千葉さんをはじめとして経験のある方々が、ベンチャー企業の支援に取り組み情報発信をしていけば、日本のベンチャー・エコシステムの質が向上し、イノベーションが次々と起こることで、日本経済が成長・発展するための起爆剤になると思います。今後のご活躍も期待しています。そして、私たちがどこかでサポートさせていただけたら、うれしいです。

 

千葉 もちろんです! ぜひ、一緒にやりましょう!


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