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中小企業が勝ち抜く方法。 それはブランディング以外にない

ITを活用したマーケティングに精通する経営者が説く

株式会社フリーセル 代表取締役 木村 裕紀(きむら ゆうき)

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中小企業が勝ち抜く方法。 それはブランディング以外にない

PHOTO:INOUZ Times

「ウチは中小企業だから、ブランディングに投資する余裕はない」。そんなふうに考えていませんか。実際には「ブランディングは投資であり、中小企業にとって“打つべき施策”」──。そう話すのは、フリーセル代表の木村さん。同社は、最先端ITツールを活用したWebマーケティングのコンサルティングで急成長しています。「中小企業が勝ち抜くための方法は、ブランディング以外にない」と説く木村さんに、ブランディングの要諦を語ってもらいました。

同レベルの2社で大差がつく理由

「ブランディング」というと、知名度を上げるために広告に予算を使うような活動を思い浮かべるでしょうか。そうではありません。「自社とはなにか」の定義を明確にし、それを一貫したメッセージとして社内外に発信し続ける活動のことです。

この活動が、なぜ必要か。それをご説明しましょう。私たちフリーセルが中小・ベンチャー企業のマーケティングをお手伝いしているなかで、知名度が同じぐらい低いレベルにあり、業界内で似たようなポジションを占めている2社があったとします。

この2社が、ほぼ同額の予算を投じ、似たようなマーケティング施策をとった場合、その効果に大差がつく。こんなことが、じつはよく起きています。

なぜ差がつくのか。その理由こそ、「ブランディングができているかいないか」なのです。業績のよい企業では、必ず、ブランディングが行なわれています。具体的には、「その会社らしさ」が確立されているのです。

経営者以下、メンバー全員が「ウチの会社らしさ」を言葉にできる。だから、マーケティング施策を実行するにあたっても、「こんな顧客に、こんなアプローチで、こんなベネフィットを訴求するのがウチらしい」と、照準をしぼった企画を立案できる。より効果が高まるのは、それゆえです。

反対に、ブランディングを行っていない企業。「その会社らしさ」が明確化されていません。そんな状態でマーケティングの企画を立案するときによくあるのが、「同業他社がこんなアプローチをしているから、ウチもそれで」。こんなマーケティング施策では、効果が出ないのも当然でしょう。

企業成長のセンターピン

ただし、ブランディングの効果はマーケティングの効率が高まるだけではありません。事業面では、リピートでの受注率や紹介での受注率が高まり、低価格帯の受注が減少します。組織面では、優秀な人材が採用でき、スタッフの定着率が高まります。スタッフは上の指示を待たずに自律的に動くようにもなります。

結果、業績は伸び、飛躍的に企業成長を遂げられます。「そんな魔法みたいなことが現実にあるわけはない」と疑われてしまうかもしれません。しかしこれは、実体験からお話ししています。すべて、私たちフリーセル自身がブランディング活動をした結果、手に入れたものにほかなりません。

ブランディングは、中小・ベンチャー企業にとって、企業成長のためのセンターピン。このピンさえ倒せば、ほかのすべてを倒せる。大企業に比べてリソースの少ない中小・ベンチャー企業は、「あのピンもこのピンも倒そう」などとぜいたくなことはできません。

一投でもって大きな結果を出さなければいけない。ならば、ブランディングというセンターピンを倒すことに、まず全力をかたむけるべきです。

値引きを求める顧客が激減した

では実際に、どのようにブランディングを推進していけばいいのでしょうか。私たちフリーセルで実行したことを踏まえながら、説明しましょう。

まず、最初に手をつける必要があるのは、「自社分析」です。自社のビジネスを明確に定義し、自社の強みとなりうる差別化要素を導き、それをわかりやすく言語化していく。このプロセスによって、「自社らしさ」が明確になっていくのです。そのうえで、対外的に発信していきます。

フリーセルの場合、さまざまな検討・議論を経て、自社のビジネスを「中堅・中小・ベンチャー企業の経営者と真摯に向き合う事業推進パートナー」と定義しました。この明確化された「フリーセルらしさ」を、社内外に発信していきました。社外に発信するのをアウターブランディング、社内浸透をはかるのをインナーブランディングと呼んでいます。

まず、アウターブランディングの成果をお話ししましょう。たとえば「下請け業者的なポジションの取引相手を求めていて、つねに値引きを要求してくるような企業」からの受注は激減しました。そんな取引の仕方は「経営者と真摯に向き合う事業推進パートナー」という定義から外れるからです。

営業スタッフはそんな仕事は引き受けない。また、下請け業者的な取引を求めている企業のほうも、「経営者と向き合う」とか「パートナー」といった文言を高く掲げている会社は敬遠してくれるわけです(笑)。

これが「顧客企業の効率的なマーケティングのお手伝いをする企業」とか、そんな定義であればどうでしょう。営業スタッフは低価格の案件でも受けてしまうかもしれません。また、顧客の側にも「ここなら安くやってもらえるのかな」とおかしな期待を抱かせてしまうかもしれません。発注側と受注側、お互いに相手に期待しているものにズレが生じてしまうのです。

きちんとブランディングを行い、自社のビジネスを明確に対外発信していれば、そのようなズレが生じる確率は低くなります。お互いに期待するものが合致する場合だけ、成約にいたる。これを私は「相互ニーズのマッチング」と呼んでいます。このマッチングの精度が高ければ、顧客満足度は高くなり、結果としてリピート受注や紹介受注も増えるのです。

メンバーにまかせられるように

次に、インナーブランディングの成果についてです。経営者として非常にうれしかったのは、スタッフたちが自律的に動くようになったことです。具体的には、とくに私が指示したわけでもないのに、クライアント企業の経営理念をイチから再定義していくような経営の深層に踏み込むようなコンサルティングを提供するようになったのです。

それまでは「リスティング広告を企画する」「Webサイトを制作する」という、マーケティング施策のなかの一部分の業務を引き受けていた。大きく変わりました。

それも、「経営者と真摯に向き合う事業推進パートナー」という定義を明確化したことがきっかけ。経営者と向き合うパートナーとしてやるべき仕事をやるようになったわけです。経営者がいちいち指示しなければ動かない組織では、成長はどこかで止まるでしょう。

でも、フリーセルはもう、たとえ私がいなくなったとしても成長を継続できるステージに来ています。自律的に動くスタッフたちの姿をみて、私は「もっとスタッフたちにまかせても大丈夫だ」と、グループ会社化を決意しました。それもブランディングの大きな成果のひとつですね。

インナーブランディングがうまくいくと、メンバー全員が「フリーセルとはどんな会社か」「どんな仕事をする職場なのか」について、同じ言葉で話すようになります。人材採用の側面でいえば、だれが面接官になっても求職者に同じことを同じ表現で伝えるようになり、面接官の違いによるムラが減少します。

そして、求職者の側もフリーセルという会社について正確に理解できるので、顧客の場合と同じく「相互ニーズのマッチング」が効率的に行われます。「こんな会社とは思わなかった」などと、入社後にミスマッチに気づくような事態は減り、定着率が高まります。

また、「この仕事であれば、自分のチカラを発揮できる」と明確にイメージできている人材が入社するので、活躍してくれる可能性が高くなる。こうしたことの相乗効果で組織が強くなり、成長の階段を駆け上がれるようになるわけです。すべてのスタートは、ブランディングを行ったことにある。

営業とマーケティングを連携させよ

また、インナーブランディングには、社内の一体感を醸成できる効果もあります。なかでも、営業部門とマーケティング部門との間にある認識のズレを解消していくのに有効です。マーケティング部門は直接、顧客と接する機会が少なく、広告を打つメディアや、メッセージを届ける手法に目がいきがち。

一方、営業は目の前にいる「自分が担当している顧客」のニーズを最優先で考えてしまいがち、という傾向があります。その結果、営業部門とマーケティング部門の間で、アプローチする顧客ターゲット層や訴求するベネフィットについて認識のズレが生じてしまう。

そのせいで、効果の出ないマーケティング施策になっているケースが多々あります。これは大企業でも起きていますが、マーケティング予算の少ない中小・ベンチャー企業では致命傷になりかねません。早急に解消するべきです。

ひとつの方策として、広告を出稿するときに、そのターゲットやアプローチについて、両部門の担当者に徹底的に議論させ、結論を共有させることです。このとき、すでにブランディングを行っていれば、それをもとに議論させればいい。まだブランディングを行う前なのであれば、両部門の議論で出た結論をもとに、自社分析を進めていくと効率的です。

いま、たとえばフルスピードさんが提供している『ADMATRIX DSP』など、ターゲットをよりしぼってWeb広告を配信できるツールが出てきています。広告に大きな予算をさけない中小・ベンチャー企業でも効率的に広告出稿ができるため、大企業と戦うための有力な武器になります。

でも、「自社のビジネスはなにか」「顧客はだれか」「提供している価値はなにか」といったことが共有されないままでは、いくら最先端ツールを駆使しても、効果は上がらないでしょう。

むしろ、最先端のツールを使う前提で、部門の垣根を超えて「自社らしさ」を議論させることで、ブランディングを行いつつ、効果的なマーケティングができると思います。

ブランディングは、短期的には効果があらわれにくい。だから、経営リソースのとぼしい中小・ベンチャー企業はあとまわしにしがちでした。しかし、ブランドは無形資産です。いちど確立されれば、簡単には失われない。

BSには記載はされませんが、ブランドがそなわっている企業は、売上高や従業員数であらわされるパワーの何倍ものチカラをもっているのです。「ブランディングは決して大企業特有の活動ではない」という当事者意識をもっていただきたいですね。ぜひ、自社の「次の10年」をにらんで、「自社らしさ」を確立してください。

木村 裕紀(きむら ゆうき)

株式会社フリーセル 代表取締役

1977年、神奈川県生まれ。1999年にIT系ベンチャー企業に入社。2005年に株式会社フリーセルに入社。2007年に常務取締役、2009年4月に代表取締役社長に就任。著書に『ブランドファースト 中小・ベンチャーの成長はブランドから始まる』(日経BPコンサルティング )がある。

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