オフィス投資の重要性が増している
INOUZTimes編集部では、「働き方改革」にベンチャー企業がどう対応しているのか、全国の従業員100人以下の企業の経営層100名にアンケート調査を実施しました。
━【調査概要】━━━━━━━━━━━
調査対象:全国の従業員100人以下の企業の経営層
調査方法:インターネットリサーチ
性別 :男性93人、女性7人
役職 :代表取締役55人、取締役39人、執行役員6人
回答数 :100サンプル
調査内容:「働き方改革」に関するアンケート
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[設問]あなたは、社員のチームワークを向上させるために、オフィス環境の面で工夫していますか。
「Yes」と回答した経営者が50人、「No」も50人。ちょうど半々となりました。Noと答えた回答者からすれば「意外にYesが多いな」「オフィスは直接利益を生まない固定費の代表なのに、どうしてなんだろう?」という印象をもつ読者がいるかもしれませんね。
確かにひと昔前は、オフィス環境は直接、利益を生み出すものではなく、「コスト」として見なされがちでした。とくにベンチャー企業では、オフィスにコストをかけないことで、コスト競争力を確保しようとしているケースが多かったのです。しかし、最近はベンチャー企業もオフィス環境に工夫をこらし、投資するようになってきました。
その背景に、空前の人手不足があるのは確実でしょう。待遇面で大企業より見劣りする場合が多いベンチャー企業では、優秀な人材確保のために、なんらかの手を打つ必要があります。そのなかで、注目されているのがオフィス環境への投資です。カフェ風のおしゃれなインテリアだったり、卓球台を置いたり、ランチはもちろんお昼寝すらしてもいい多目的スペースを設置したりなど、さまざまな取り組みがあります。「こんなオフィスで働いてみたい!」という動機を形成し、人材を集め、定着率を上げる戦略です。オフィス投資の重要性が、ベンチャー企業に浸透してきているのは確かでしょう。
オフィスの整備で「アイデア力」を高める
ベンチャー企業にとって、オフィス投資の重要性が増している理由は、それだけではありません。ベンチャー経営者100人に聞いてみた。テレワークと“会社の一体感”は両立するか?(後編)の記事でも考察した、「画期的なアイデアが生まれる場所としてのオフィス」をもつ必要性が高くなっていることもあります。
背景には、最近のビジネスのスタイルが、“モノづくり”から“コトづくり”へとシフトしつつあることがあります。多くの分野においてモノの機能に差がなくなっているなか、斬新なアイデアによって、競合製品にはない、魅力的な付加価値をつけることが求められます。「なんでもできる」「できないことはない」といった複雑な “便利な機能の開発”から、「めんどうなマニュアルなしに快適に使える」「直感で楽しく使える」といった “快適な体験の創出”へと、製品やサービスづくりの戦略が変化してきたからです。 “コトづくり”の成功例は、たとえばシンプルでありながらスタンプやゲームといった楽しい付加機能を豊富にそろえたSNSサービスなどがあげられます。そのため、みんながアイデアをぶつけあい、ブラッシュアップできるオフィス環境が現在、重要になってきているのです。
また、インターネットの発達によって、とくにIT系のサービスについては、「アイデアをカタチにして、サービスを提供してみる」ことへのハードルがきわめて低くなったことも影響しています。まずサービスを提供してみて、ユーザーの反応をみてから、撤退か継続か、修正するとしたらどこを修正するかを意思決定し、どんどんよりよいサービスにしていく──。こんなことが低コストでできるようになったのです。
「実行」のコストが大きく低減したいま、重要なのは、まだ市場に出ていない画期的な商品・サービスの「アイデア」のほうです。よりよいアイデアをより多く生み出した企業が競争に勝ちます。そして、良質なアイデアは、異文化がぶつかる場所で生まれてくるケースが多いのです。多くの企業がそのことに気づき、異文化がぶつかる場づくりに注力しています。
たとえば、ビルの一部を、コワーキングスペースとして、様々な企業がコラボしたいと考えるスタートアップやフリーランスといった方々に開放。さまざまな人同士の考えがぶつかる場をつくっています。ここから、企業成長を加速させる新たな事業のアイデアが生まれることを期待しているわけです。
チームワークはベンチャーの武器になる
今回のアンケートの回答のなかには「チームワークこそが会社の資産であり、顔が見える職場づくりに力を入れている」という声がありました。大企業では従業員数が多く、「顔の見えない同僚」も多くなってしまうなか、少数精鋭のベンチャーならではの経営といえるでしょう。オフィスの工夫によって、チームワークという会社の資産を増やし、生産性の向上やアイデア力の強化につなげるのです。
しかし、回答のなかには「予算が足りない」「手をつける時間がない」と物理的にできないことを嘆く声も。また、「なにから手をつけたらいいかわからない状態」「どうすれば効果があるかわからない」という回答もありました。つまり、必要性は感じながら、取り組めていないというベンチャー経営層もいるわけです。
「チームワークを向上させるために、オフィス環境の面で工夫しているか」という設問に対して、「No」と答えた経営層のなかには、「工夫したいが、できていない」という状況にあるケースが一定数、あるということです。設問が「チームワークを向上させるために、オフィス環境の面で工夫するべきだと思いますか」であったなら、「Yes」が過半数になったことは間違いないでしょう。
それだけ多くのベンチャー企業の経営層が必要性を認める「オフィス投資によるチームワークの向上」。本記事の後編では、寄せられたアンケート回答のなかから、具体的にどんな工夫ができるのかを見ていきます。
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