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ベンチャー経営者100人に聞いてみた。 残業したい若手を帰らせますか?(前編)

成長ベンチャー流「働き方改革」#3
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ベンチャー経営者100人に聞いてみた。 残業したい若手を帰らせますか?(前編)

いま国が旗を振り、大企業が推進している「働き方改革」。でも、世に言われている働き方改革が成長ベンチャー企業を含むすべての企業に当てはまる、そんな簡単なことではないように思えます。ベンチャー企業の経営者もメンバーも、そう思っているはずですよね。

成長志向のビジネスパーソンが、成長志向のベンチャー企業で働くとき、「仕事は楽しいモノ」です。みんな熱中して働いています。そんな成長ベンチャーならではの「働き方」があり、「働き方改革」があるはず。本特集では、その中身に迫っていきます!

定時を過ぎても仕事に熱中している若手社員に対し、「帰れ」と命じますか──。100名の経営者に、そんな“究極の選択”を迫ってみました。果たして、ベンチャー経営者の選択は? アンケート結果から、とても興味深いことが浮き彫りになってきました。

「帰るかどうかは社員の自主性にまかせる」が3割強

INOUZTimes編集部では、「働き方改革」にベンチャー企業がどう対応しているのか、全国の従業員100人未満の企業の経営層100名にアンケート調査を実施しました。

━【調査概要】━━━━━━━━━━━
調査対象:全国の従業員100人以下の企業の経営層
調査方法:インターネットリサーチ
性別  :男性93人、女性7人
役職  :代表取締役55人、取締役39人、執行役員6人
回答数 :100サンプル
調査内容:「働き方改革」に関するアンケート
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[設問]定時を過ぎても仕事に熱中している若手社員がいたとします。長時間労働を抑制するため、帰宅するように命じますか。

「Yes」と答えた人が66人。「No」が34人でした。つまり、若手社員の残業を認める経営層が3割強いることがわかりました。この数値を高いと見るのか、低いととらえるのか。結論からいえば、「かなり高い」ということになるでしょう。

というのも、過労死やメンタル不調が社会問題化しているなか、「長時間労働の削減」は、いまや国をあげて解決すべき至上命題になっているからです。それを受けて、作業の効率化や人員配置の見直しを進め、ノー残業デーを導入するなどして残業時間を減らし、従業員の心身の健康に気を配る取り組みが、大企業を中心に推進されています。「残業時間を減らす取り組みをやっていますか」と聞かれて、「No」と答える大企業の経営層はほとんどいないでしょう。

仮定の話ですが、もし今回のアンケートと同じ設問を大企業の経営層にぶつけたら、9割がた「帰宅させる」と回答したのではないでしょうか。そう考えると、経営層の34%が「残業を容認する」というのは、ベンチャー企業ならではといえるでしょう。

若手社員の成長の速さに期待する

高い数値が出た原因としては、今回の設問が、ただの社員ではなく、“若手社員”に限定していたことも大きいでしょう。なぜなら、ベンチャー企業と大企業では、経営者が若手社員に期待することが、だいぶ異なるからです。大企業では「将来性」。対するベンチャー企業では「成長スピード」を、若手社員に対しておもに期待しています。

企業を永続させるため、長期的な視野に立ち、段階を踏んでじっくり新人を育てる大企業。人的リソースが豊富であるため、そうするだけの余裕があるのです。一方、ベンチャー企業では既存の人的リソースは豊かではありません。しかし、優秀な人材を採用するチカラにおいても大企業に見劣りします。ヒトを増やすことで成長するにも限界があるわけです。では、どこに企業成長の余地があるかというと、「既存の人材の成長」です。

しかし、人材の頭数は変わらなくても、個々の人材が2倍の仕事ができるように成長してくれたら、その総和として企業も2倍に成長できます。そして、その成長スピードが若手はベテランよりも速いのです。自分がこれまでの経験によって体得したやり方にこだわるベテランよりも、スポンジが水を吸収するように、新しいやり方を受け入れられるからです。

そのうえ、IT系の企業のように、「これまでのやり方」が通用せず、ゼロからビジネスの仕組みや商品・サービスをつくりあげていく業界では、「その道のプロ」はいません。「ベテランであること」に、なんのアドバンテージもないのです。ですから、ベンチャー企業はより若い人材を採用したがるのです。若手の急速な成長の結果として、企業もより速く成長しようとするわけです。

ベンチャー企業では、大企業のようには人材育成のためのマニュアルや手法が確立されていません。早い段階から実践的に経験を積ませていく傾向があります。若手社員にまずは仕事をまかせ、自分なりに考えさせる。たとえ失敗しても、「失敗から多くを学んでほしい」と考える経営者は多いでしょう。このように自主性を重んじる働き方をさせると、勤務時間もおのずと「何時から何時まで」ときっちり区切ることが難しくなります。「“帰宅しろ”と命じない」という経営者が多くなるわけです。

容認理由は「熱意や成長意欲をそぎたくないから」

また、「若手社員本人の意思を尊重する」という意味あいもありそうです。若手社員はなぜ大企業ではなく、ベンチャー企業を選んで入社したのか。「誰よりも早く成長したい」「将来は自分で起業したい」といった想いからであるケースが多いでしょう。そんな野心あふれる人にとっては、勤務時間というわくにしばられずに、いろいろなことを経験し、さまざまなものをどん欲に吸収し、チカラをつけていきたいとろ。ベンチャー企業の経営層の側も、「せっかくの成長意欲や向上心に水をさすようなことはしたくない」と思うのは当然でしょう。

それは、今回のアンケート結果にも如実にあらわれています。設問に対し、「No」すなわち「残業を容認する」と答えた経営層34人に、そうする理由を聞いたところ、もっとも多かったのが、「邪魔するのはよくないから」「熱意をかいたいから」「いろいろなことを吸収できる時期だから」と本人の意欲や成長を考慮してのことだと回答しています。

一方、「Yes」と答えた残業否認派66人の理由はどうでしょうか。「健康第一」「カラダが資本だから」「明日の活力がなくなるから」「ワークライフバランスの確保」と心身面での配慮を「帰宅せよ」と命じる理由にあげている回答が目立ちました。「若手社員の成長に期待しているので、ムリはしてほしくない」ということかもしれません。回答は「Yes」「No」にわかれていますが、根っこのところでは同じ想いをもっているのかもしれないですね。

勤務時間の「機械的な削減」はNG

国をあげて推し進められている「働き方改革」。過労死の問題がマスコミで大きく取り上げられ、「長時間労働は悪」というコンセンサスが社会全体に浸透していっています。また、先進国のなかで、日本の労働者の生産性の低さが指摘されていることも忘れてはならないでしょう。仕事を効率化し、国際的な競争力を高めていく。残業時間を減らし、労働者の心身の健康に十分配慮する。これらはいまの日本企業に切実に求められていることです。

とはいうものの、労働時間の削減は、ベンチャー企業にとっては諸刃の剣になりかねません。勤務時間をルールであまり厳しく縛ってしまうと、社員の自主性や創造性が失われる恐れもあります。ベンチャー企業の社会的役割のひとつは、大企業にできない「新しい価値」を生み出すこと。労働時間の機械的な削減が社員の創造性を失わせてしまえば、新しい価値やサービスも生まれません。記事の後編では、この「労働時間の削減」と「社員の意欲を尊重する」という、一見、矛盾してしまうこの課題を両立させるために、経営者がどんなことをしているのかを考察します。

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