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「こんなにいい会社だったんだ!」と、いわせないように情報発信していく

採用オウンドメディア成功の法則#3

freee 人事 採用チーム責任者 栗林 由季

INOUZTimes編集部
「こんなにいい会社だったんだ!」と、いわせないように情報発信していく

空前の売り手市場による採用難のなか、「採用オウンドメディア」を活用して大きな成果をあげている企業が出てきています。他社の採用メディアに頼りきるのではなく、社員のキャリアストーリーや社風が伝わるコンテンツを自社メディアで発信し、自社サイトからの直接採用やリファラル採用につなげていく新しい採用手法の登場です。そこで編集部では、採用オウンドメディアを実践し、成果をあげている企業を取材。「採用オウンドメディアの成功法則」を考えていきます。
第三回は、中小企業・個人事業主向け『クラウド会計ソフトfreee』の提供などで、スモールビジネスを支援しているfreee。同社が展開する採用オウンドメディアは、ブログ形式で掲載される社員インタビュー記事や社内イベントのレポートが中心。このメディアを運用することで、「入社した人に、『こんなにいい会社だったんだ!』といわれないようにしたい」というのが、同社の人事で採用チームの責任者の栗林さんです。発言の真意に迫ってみました

社員募集をしていることも知られていない

─オウンドメディア開設以前、採用についてどのような悩みを抱えていたのかを聞かせてください。

そもそも応募があまりないこと(笑)。freeeという会社が人を募集していることも知られていない。そんな状況が続いていたんです。

─ちょっと意外ですね。かなり知られた存在だと思うのですが…。

「会計ソフトの会社」というイメージをすごくもたれているんですね。「有力なプロダクトがひとつあって、それを安定的に運営している会社」というような。freeeを知っていても、取り組んでいることを理解してくれている方は多くないように感じます。

実際の私たちは、「日本の中小企業の生産性をあげて、本業にフォーカスできる世界をつくっていきたい」という視点で、会計ソフト以外にも、さまざまなビジネスの可能性にチャレンジしています。「スモールビジネスを、世界の主役に。」という私たちのミッションがぜんぜん伝わっていない。それが大きな課題だと思っています。

─ということは、求める人財も多岐にわたっているのですね。

そうです。エンジニアも定期的に採っているほか、いまは事業を拡大していくフェーズなので、セールスやマーケティング、事業開発など多様な人財が必要です。過去一年で新卒を含めて約100名を採用しています。でも、自ら応募してくださる方はまだ限られているというのが実情です。

─人財エージェント経由が多いということですか。

いいえ。エージェント経由は1割くらい。リファラル採用が2割。それ以外はダイレクト採用というもので、こちらからスカウトメールを送る、発信型の採用を行っています。エージェント経由ですと、いろいろな魅力的な会社と競合するなかで選んでもらわなければならなくなる。当然freeeのことを知っていただく時間も短く第三者から企業情報が伝わるため魅力も伝わりづらくなります。freee1社だけに関心をもってもらった方を採用するほうが効率的でかつミスマッチも少ないと考えております。

社員が20~30名だったころから、発信型の採用に注力。ピンポイントで関係を築いた方に、オフィス見学の機会をもうけてきました。そのなかで「freeeって、実際に来てみるとぜんぜんイメージが違う」という声を非常に多くいただきました。それならば、自分たちの会社の姿を、もっと知ってもらうべきだろう、と。そんな想いからオウンドメディアを立ち上げたのです。

入社後のポジティブギャップをなくす

─イメージと実際が違っているのを、埋めていくためのメディアというわけですね。

ええ。採用オウンドメディア立ち上げた際に特に私たちが重視しているのが「入社後のポジティブギャップ」をなくすことです。入ってから、「こんなにいい会社だったんだ!」と思うこと。これほどもったいないものはないですよね。「いい」部分が入社前に伝わっていなかったということですから。それを情報発信できていれば、より多くの人にジョインしてもらえたかもしれないわけです。そこで、オウンドメディアを開始してすぐに、新たに入社した社員全員に対して、入社1ヵ月後にアンケートを行い、ポジティブギャップをひろう取り組みを始めたんです。

─めずらしい取り組みですね。多くの会社は「悪い」と思われている点の改善にばかり注力しがちですから。アンケートで多かったポジティブギャップには、どのようなものがありましたか。

たとえば「すごく風通しがいい」ですね。メンバーどうしがニックネームで呼びあっているとか。代表の佐々木大輔との関係でも、社長室がなくてみんなと同じところで佐々木が仕事していたり、社員が「大輔さん、これおかしくないっすか」なんて話しかけていたり…。そういった風通しのよさを驚く人が多いですね。

「マジ価値とは?」など独自の文化を発信

─なるほど。そうしたポジティブな側面を入社前の段階で知ってもらえるように情報発信していくために立ち上げたわけですね。では、立ち上げ業務は外注したのでしょうか。

いいえ。制作はすべて社内のスタッフが手がけました。リクルートチームがオウンドメディア制作を兼任しています。「とりあえずやってみよう」という感じですね。ウチの会社には「まずトライしてみる」「トライしてからどんどん改善していこう」という文化があるんです。

─コンテンツの企画コンセプトを教えてください。

「働いているメンバーをもっと知ってもらおう、人を出していこう」というのが1つの大きなコンセプトです。ベンチャー企業は、起業家が前面に出ることが多く、freeeも佐々木の印象がすごく強い。でも、ほかにも優秀なメンバーがたくさんいますから。そしてもう1つが、外部的な視点を入れることです。

─外部的な視点、というと…?

長く在籍しているメンバーにとっては「当たり前」になっているけれど、外部の人から見れば独特なもの。企業文化ですね。それを発信していこうと。オウンドメディア担当者で、記事を書いているメンバーはfreeeに入社してまだ日が浅い。私たちにとって当たり前の企業文化が、すごく新鮮に映るらしいのです。その視点を活かしていこうとしています。

─具体例を教えてください。

たとえば「部門や職種の垣根を超えて仕事をする」とか。会社のなかにメンバーどうしがコミュニケーションする場所や機会がいっぱいあって、「違う部門に所属するエンジニアとセールスの会話から新しい仕事が生まれた」なんてこともしょっちゅうある。「そこがおもしろい」と記事制作担当がいっていましたね。あとは「マジ価値」とか。

─マジカチ…?

「マジで価値あるものを!」の略語なんです(笑)。マジ価値に向かってみんなが議論をかわすのが当たり前の風土になっていて。「それもめちゃくちゃおもしろい!」ということで記事にしました。

─個々の記事に登場する社員の人選はどのように決めていますか。

人事のなかでアイデアを出しあいます。社員一人ひとりの採用ストーリーを知っているので、「次はこういうストーリーを出したいので、この人を記事にしよう」とアイデアをあげるわけです。ほかには採用を進めているポジションで、現在活躍している人を取り上げることもやっています。記事にするのは少し時間がかかるので、未来の採用に向けて記事がアップされるように、常に先を考えながら取材をするようにしています。

─更新ペースはどのように設定していますか。

週に2本くらいを目標にアップしています。記事の質を担保したうえで本数を増やしていくと、記事から応募があった数字も伸びていきますので、「継続することが大事だな」と思っています。

スカウトメールの返信率がアップ

─オウンドメディアを立ち上げてから、採用にどのような変化が生まれたのでしょうか。

劇的な変化はありませんが、「記事を読んでfreeeを知って応募した」という数字をトラックしていて、それは着実に増えました。こちらからスカウトするのではなく、自発的に応募してくれる人も、昔よりだいぶ多くなっています。

また、スカウトについていえば、スカウトメールの返信率を上げるためにメール文章にメディアのリンクを貼り付けて送ることもあります。同じ職種の活躍している社員の記事を読んで頂くと、より親近感がわきますよね。

─リファラル採用で効果はありましたか。

あります。メンバーたちが、オウンドメディアの記事をSNSで拡散してくれたなかで、メンバーの友人がそれを見て「おもしろそうだ」と興味を示して応募にいたったケースが実際にあります。

─社内の人たちの間で、採用オウンドメディアの存在が認知されてきているんですね。

はい。社内でイベントがあったときなどに「取材してほしい」という声が現場からあがるようになりました。そこで、社内システムのなかに取材依頼ができる応募フォームを用意して、気軽に連絡してもらえるようにしました。freeeには「いいことはどんどん発信しよう」という文化があって、採用オウンドメディアもその発信場所のひとつとして意識されるようになったのかなと思っています。

─最後に、今後の運用方針を聞かせてください。

今後も入社後のポジティブギャップはなくしていきたいですね。そして、私たちがなにをめざしているか、それが知られている世界をつくっていきたいと思っています。また、freeeという会社は社員一人ひとりからつくられている会社。輝いているメンバーを知ってもらうツールとして、より充実した内容にしていきたいですね。

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