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胎動する「仙台×IT」

「エンライズ」代表取締役CEOインタビュー

株式会社エンライズコーポレーション 代表取締役CEO 吾郷 克洋(あごう かつひろ)

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胎動する「仙台×IT」

ヒトモノカネそして情報が首都・東京などの大都市圏に集中するニッポン。政治・行政・経済をはじめ、ベンチャー企業も一極集中し続けています。効率性が高い反面、地方のリソース流出につながり、そこには国全体から多様性が失われるという大きなデメリットも。そうしたなか、あるベンチャー企業が仙台にシェアオフィスをつくる試みを始動させました。なぜ、東京ではなく地方なのか。このプロジェクトを進めるエンライズコーポレーション代表の吾郷さんに取材しました。

多様な人や企業が出会える「場」がイノベーションを生む

――仙台でシェアオフィス・コワーキングスペースを展開する新事業「enspace(エンスペース)」の第一弾をつくるそうですね。enspaceプロジェクトの構想が生まれた経緯を聞かせてください。

地方に共通する課題のひとつは「場」が少ないこと。そのため、エンジニアとして東京である程度のキャリアを築き、故郷で新しい事業を興そうとしても、採用を含めて、人と出会う場がなかなかありません。

地方在住のやる気のある若者、起業家も同じ。優秀な人財、新しいビジネスの芽が育ちにくい環境にあるのは、非常にもったいないと思っていました。

こうした問題を解決するには誰かが「場」をつくるしかありません。去年、シリコンバレーを訪れる機会があったのですが、そこでの働き方や場の創り方が自分の中にあった問題意識と結びつき、地方でのシェアオフィス・コワーキングスペース事業である「enspace」の構想が生まれました。

―シリコンバレーのどういったところがヒントになったのですか?

環境です。Apple創業者のスティーブ・ジョブズやMicrosoft創業者のビル・ゲイツなど世界に革新を起こしたシリコンバレーの起業家たちの多くは、ガレージなど、お世辞にも恵まれた環境とはいえない場所からスタートしています。

でも、そこにはテクノロジーで社会をよくしたいという志を持ち、ビジョンを共有できる仲間がたくさんいた。そんな仲間たちと時には意気投合し、時には激しい議論を戦わせながら新しい価値が生み出されてきました。イノベーションは志を同じくする“人と人が出会える場”から生まれるのです。

現在のシリコンバレーのシェアオフィス、コワーキングスペースでも、それこそ世界中から集まった熱い志をもった人たちが意見をぶつけ合っています。そんなシリコンバレーの空気に接し、いろんな企業や人が集まることで生まれる熱気のある場所を日本でつくるのが私の使命だと感じ「enspace」の構想が具体化していきました。

エンライズコーポレーション代表の吾郷さん
Photo:INOUZ Times

“5つのen”と“3つのKAKERU”で地方創生にチャレンジしたい

――「enspace」プロジェクトを始動させる場所として、なぜ仙台を選んだんですか。

まず、すでに起業している人、将来の起業を考える学生、東京などの都市から拠点を移そうと考えている企業。そうした多様な人や企業が集まる場は地方こそがふさわしいと考えました。

最初に考えたのは私の生まれ故郷である広島。しかし、いろんな地方の人たちと話しているうちに「社会課題の解決に直結する場所でやりたい」と考えるようになりました。日本の地方都市はどこも課題が山積みです。そのなかでも最大の課題は東日本大震災からの復興なのではないかと。そんな問題意識が芽生え、あれこれ考えた結果、「enspace」の第一弾は仙台なのではないか。そう確信しました。

微力ですが「enspace」事業を進めることで復興に貢献したいし、ここから日本を代表する企業や起業家が生まれてほしい。それによって「地方創生」の新しいモデルも生まれるはずです。国家戦略特区の指定地域である仙台市では企業誘致や開業支援に力を入れていて助成金が充実しているなど、起業しやすい環境、東京の企業が地方拠点を設置しやすい環境があることもポイントになりました。

東日本大震災以降、事業継続性の観点から拠点を分散させようとする動きもあります。そこで浮き彫りになるのが人。移転先で人を採用しようとする場合、特にエンジニアは絶対数そのものが少ない。それなら地方都市でもエンジニアが育つ仕組みをつくればいい。

「enspace」は「地方創生×IT」で、さまざまな社会課題の解決に向き合います。それは人がいてはじめて実現するもの。いろんな会社や人が集まる場を用意することで「ここに行けば新しいものに出会える」「ここから何かが生まれるかもしれない」という期待を醸成し、人、企業、情報が引き寄せられる新しい磁場にしたいですね。

――地方創生は大きなテーマです。具体的にどんな戦略を考えているのですか。

どんな分野でも「○○×IT」で事業を加速・拡張・効率化できる環境をつくるのがわたしたちの根本的な考え方です。

「enspace」の場合は「地方創生×IT」がキーワード。ベースになるのはわたしたち、エンライズが大切にしてきた5つの「en」です。

お客さまに価値を提供し「ありがとう」を“対価(円=en)”でお預かりすること。ベンチャーとして実績が少ないなかでも“応援(en)”してくれた方々との“ご縁(en)”。起業当初から“エン(en)ジニア”の力を活用し、可能性を最大限に高めてきたこと。どうせやるなら、楽しく、仲間とともに宴(en)をするように進めていきたい―。

この5つの「en」を基準に、「懸ける」「駆ける」「描ける」という「3つのKAKERU」をあわせて、事業を磨き、育て、加速させるコミュニティを創造したい。これが「enspace」に込めたわたしたちの想いです。

「熱い志」をぶつけ合うことが社会を変革するチカラになる

――新しい価値が生まれる“場創り”のあり方を追求しているのですね。

人間、ひとりでできることなんてたかがしれています。思い描く未来をカタチにしていくには、志やビジョンを共有できる仲間が絶対に必要です。極論すれば「何をやるか」よりも「誰とやるか」。シリコンバレーで感じたそうしたイノベーティブな空気感を地方に創造することで、やる気ある若者がチャンスをつかみとり、人創りの拠点となる場を提供したい。そんな想いがあります。

よく「東北の人はおとなしい」「主張が少ない」と言われますけれど、そんなことはない。仙台でいろんな人と対話すると、地元に対する愛着、復興を盛り上げたいという心の底の想いは非常に熱い。「enspace」を舞台に、その熱さをぶつけ合い、人と人の出会いから化学反応が起こることで、社会を変革する価値が生まれる。そう期待しています。

――御社の事業内容についても教えてください。

メインはITインフラに特化したソリューション事業。サーバーやネットワークなど、大手企業のシステム基盤を設計・構築・保守運用する業務を中心に、技術支援型のSES(システムエンジニアリングサービス)を提供しています。

さらに人財育成や研修に関わるHRバリュー事業、新規事業開発・インキュベーションを行うベンチャーバンク事業。この3つをコアビジネスとして展開しています。

――設立から5年で急成長を遂げています。その理由を聞かせてください。

「人」をビジネスの核に据えているからです。

技術重視はもちろん、ビジネス力にたけたエンジニアを「技術タレント」として育成したい。そのため、テクノロジーを追求しながら「技術とビジネスをどう結びつけるか」という視点を持てる人財教育を行なっています。その象徴のひとつが地方人財に衣食住を提供しながら学んでもらう「エンライズ・アカデミー」です。

――どのようなアカデミーなのですか。

2013年に当社がスタートさせた人財育成プログラムで、ITエンジニアの養成機関です。最初の2ヵ月の研修期間で資格取得ができる基礎的な力をつけてもらい、3ヵ月目から実務研修に入ります。勉強している間も給与を支給し、希望者は寮に入れます。

現場で責任ある仕事を担う前に、アカデミーでビジネススキルやエンジニアとしての技術を修得することで、本当の意味での即戦力として充実した仕事をすることができる。そう考え、アカデミーを発足させました。

――ベンチャー企業には成長ステージに合わせて「即戦力を採用する」という考えが強いように感じますが、吾郷さんは「育てる」ことに重きを置いているんですね。

即戦力採用はスピードと競争原理の視点では一理あります。だけど起業の時点から私の場合、世の中に必要とされるサービスを「仲間とともに創りたい」という想いがありました。

全国から若い人を採用し、技術やビジネスのノウハウを教え、ビジョンを共有しながら同じ価値観で仕事ができる仲間を創る。そのためにはサービスやプロダクトありきではなく、人創りと、その背景にある環境、場創りが大切なのです。

「enspace」は私にとっても大きなチャレンジ。でも、全力でチャレンジするに値する大きな意義があります。仙台で成功させ、それを東北、全国に展開することで地方創生に貢献したい。「enspace」で何が起こるのか、生まれるのか。私自身もワクワクしています。

仙台に誕生。東北最大級のシェアオフィス・コワーキングスペース『enspace』

2018年6月にGRAND OPENする「enspace」はシェアオフィス・コワーキングスペース・イベントスペース・会議室などの1棟複合ビル。東北エリアを活性化したいと同じ想いをもつ仲間とともに運営しています。



「enspace」の概要:
宮城県仙台市青葉区国分町1-4-9 芭蕉の辻AGOビル(7階建て)

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電話:022-302-6422
(受付時間:9:00~21:00)

吾郷 克洋(あごう かつひろ)

株式会社エンライズコーポレーション 代表取締役CEO

1975年、広島県生まれ。1998年に地元の広島修道大学商学部経営学科を卒業。2012年に株式会社エンライズコーポレーションを設立し、代表取締役CEOに就任。2013年に新たな人財育成プログラム「エンライズ・アカデミー」を立ち上げるなど人財の育成に力を注いでいる。

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