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【カカクコム】買収後の連携と資産の共有により、各サービスの成長を加速化

カカクコム<2371>は、家電製品などの料金比較サイト「価格.com」や飲食店の口コミを提供する「食べログ」を中心としたインターネット関連サービス事業を行う企業である。
INOUZTimes編集部
【カカクコム】買収後の連携と資産の共有により、各サービスの成長を加速化

※画像はイメージです

カカクコム<2371>は、家電製品などの料金比較サイト「価格.com」や飲食店の口コミを提供する「食べログ」を中心としたインターネット関連サービス事業を行う企業である。

同社は1997年に購買支援サイト「¥CORE PRICE¥」の運営会社、有限会社コアプライスとして設立された。2000年にはサイト名称を現在の「価格.com」に、組織も株式会社カカクコムに変更している。02年にデジタルガレージの子会社となり、03年に東証マザーズに、05年には東証一部に上場を果たした。その後デジタルガレージ保有株式の半数はカルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下CCC)に譲渡され、12年にはCCCの保有株式の多くは電通に譲渡されており、成長のタイミングで大株主が変遷してきた会社である。

カカクコム開示資料より

同社の事業のセグメントとしては、大きくはインターネットメディア事業と、ファイナンス事業(生保、損保の代理店業務)に分かれ、前者は価格.comと食べログ、そしてその他新興メディアの3つに細分化される。

創業時から一貫して同社の主力ビジネスである価格.comは、パソコンや家電をはじめ、フードやドリンク、インテリア、コスメなど多様なジャンルの商品の販売価格、ブロードバンドや携帯などの通信費、さまざまなサービスの価格やクチコミ情報を集約して提供しており、年間利用者数は5,000万人を超える。

また05年3月にサービスを開始したグルメのランキングとクチコミサイト「食ベログ」も、年間利用者数は価格.comを超える7,000万人に達しており、有料会員は150万人を突破、近年、売上高でも肩を並べる規模にまで成長している。それら主力2事業に加え、現在提供している新興メディアは10を超える。その中には不動産住宅情報サイト「スマイティ」や、ファッション・雑貨・インテリアに関するキュレーションメディア「キナリノ」といった自社で開発したWebメディアがある一方、M&Aによって取り込んだサービスも多くある。

カカクコムの行った主なM&A

例えば04年10月に営業権譲渡を受けたホテル予約サイトyoyaQ.com。直前のキャンセルや特別な理由によって割引されるプランを中心に、ホテル・旅館を格安料金で予約できるサービスである。当初は会員数が4万人、サービス内容は当日予約限定というものであったが、現在では会員数は60万人を超え、宿泊の数カ月前から予約ができるサービスへと進化している。

05年1月には、旅行のクチコミと比較サイトを運営するフォートラベルを子会社化、“みんなでつくるオンライン旅行ガイド”をコンセプトに、ユーザーから投稿された国内外の旅行情報を掲載しており、ホテルやツアー、航空券などの旅行商品を比較・検討できるサービスも提供している。一方で07年にはヤフーに16.5%を譲渡するなど、外部企業との連携も図りつつ、14年には自社サービス「食べログ」のレストラン予約システムを活用し、旅行者のクチコミを参考にしながら、レストラン予約が可能になるなど、グループ内での連携も図っている。

07年4月には総合映画サイト「映画.com」を運営するエイガ・ドット・コムの70%を取得し子会社化した。ハリウッドやヨーロッパから集めた最新映画情報や、プロの評論家と編集部による独自の映画評のほか、ユーザーから寄せられた評価など、映画に関する幅広い情報を提供しており、月間の閲覧者数は 25万人と国内の独立系映画情報サイトとしては最大級の規模を誇っている。

14年3月には航空券やレンタカーなどと合わせて宿泊施設の予約が行える“ダイナミックパッケージ”をシステム化し、宿泊施設に提供しているタイムデザインが第三者割当増資を実施するに当たり、総額2億円のうち約1億8000万円分を引き受け、連結子会社とした。現在では旅行事業の統括部署を新設し、前記したyoyaQ.com、フォートラベルとの連携強化、資産の共有により成長を加速させている。

同年11月には自動車情報サイト「webCG」を運営している日経デジタルコンテンツ(日本経済新聞デジタルメディアから同サイトを移管した会社。直後にwebCGに社名変更)の66.5%を取得し子会社化し、事業の多角化を図っている。

海外への進出

当社は16年に自由化された電力小売りの料金比較サイトを立ち上げたり、また同様に17年に予定されているガス小売りの自由化についても情報提供サイトを新設するなど、時流に合わせたサイトを迅速に立ち上げる体制が整っている。今後も新しい分野で比較情報サイトを立ち上げ、収益源の多様化を進めていくだろう。

大きなトピックとしては、06年6月に社長就任した田中実氏が、在任期間が10年となる16年6月をもって取締役副会長となり、新社長である畑彰之介氏の時代が始まる。経営体制を新たにすることで、さらなる事業の発展と企業価値の増大を図っていくようで、総合的な生活支援サービスの提供を追求していく同社の今後が楽しみである。

この記事は、企業の有価証券報告書などの開示資料、また新聞報道を基に、専門家の見解によってまとめたものです。

本記事は「M&Aonline」から提供を受けております。

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