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「ホンダ×カブク」 が提示したモノづくりの新しいカタチ

(右)本田技研工業株式会社 スマートコミュ ニティ企画室 主任 榊 秀雄(さかき ひでお)

(左)株式会社カブク CBO/事業執行役員 清水 篤彦(しみず あつひこ)

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「ホンダ×カブク」 が提示したモノづくりの新しいカタチ

PHOTO:INOUZ Times

ホンダと「モノづくりベンチャー」カブクが超小型EVでオープンイノベーションでタッグを組んだ経緯、それによって得られた新たな知見などをホンダとカブクの担当者に取材した。

両社の強みを集結

―両社のオープンイノベーションが実現した経緯を教えてください。

榊(ホンダ)

直接のきっかけは、鎌倉の銘菓「鳩サブレー」を製造・販売している豊島屋さんの「細かく入り組んだ街中で効率よく配送できる車両としてマイクロコミューターを使いたい」というお話でした。

以前から当社ではマイクロコミューターの研究開発を進めており、2013年に超小型EVの「MC-β(エム・シー・ベータ)」を発表。自治体と協力して実証実験を進めてきました。

その過程でさまざまなニーズが浮き彫りになり、そのひとつが前述した豊島屋さんからの要望だったのです。

そこで、個別ニーズに合わせたカスタマイズモデルの製作にはどんな手法が最適なのかを検討。その結果、モノづくりベンチャーのカブクさんとオープンイノベーションで共同製作することを決めました。

清水(カブク)

当社はグローバル分散製造プラットフォームの開発・運営を行うスタートアップ企業で、世界約30ヵ国以上に試作・特注品製造・量産などを行う工場とのネットワークがあります。

産業用の3Dプリンターを使い、家電など従来はカスタマイズできなかったものを設計から見直し、1点モノとしてマスカスタマイズした実績など、さまざまな製造依頼者のニーズに応じて適切な工場に差配し製造して納品する、オンデマンド製造サービスが中核事業です。

今回の実現経緯で言えば、そういったマスカスタマイズの実績などをホンダさんに着目いただき、実現に至りました。

―どんなところに3Dプリンターが使われたのですか。

榊(ホンダ)

外装カバーや荷室のデザインなどに使われています。フレームやモーターなどのパワーユニット、ドアや内装は当社のMC-βをベースに、2人乗りから1人乗りに変更。カブクさんが製造したパーツと組み合わせています。

自動車開発という当社の強みと、個別ニーズに対応してカスタマイズできるカブクさんの強みをオープンイノベーションによって集結させることができました。

「自由な視点」に驚く

ホンダとカブクのオープンイノベーションによって開発された「マイクロコミュータ豊島屋モデル」

―3Dプリンターを使うことのメリットは何だったのですか。

清水(カブク)

ひとつは納期の短縮。3Dデータさえあれば日本中、いや世界中のどこの工場でも製造でき、金型などをつくる時間も手間も不要です。

榊(ホンダ)

今回は展示会に間に合わせるため、開発期間は約2ヵ月。金型づくりから始めていたら、間に合いませんでした。

清水(カブク)

素材にはABS樹脂を使っています。豊島屋さんのエンブレムには3Dプリンターで製造したときの積層跡をわざと残しました。

普通は磨いて落とすのですが、重なる筋が年輪のようにも見えるため、こうしたデザインにしました。

また、ボディサイドの何羽もの鳩を重ねたような装飾も、金型では難しいと思います。3Dプリンターならではの意匠ですね。

榊(ホンダ)

プロジェクトには当社のデザイン関係の社員も携わっていましたが、「発想が自由」と驚いていましたね。

マスプロダクトの場合、やはり金型づくりが前提になるので、自由な視点でモノづくりができることが新鮮な驚きでした。

―開発を進めるなかで、最も苦労したのはどこですか。

清水(カブク)

展示会に間に合わせるというプロジェクトのおしりがあったので、やはり時間との戦いでしたね(笑)。

また、外装カバーには直径約90センチという、今回扱った素材の3Dプリンターでつくるものとしては最大級といえるものもありました。

精度には自信をもっていましたが、実際に完成品がピタッとはまってくれるかどうかは、一発勝負的なところがあり、不安がまったくなかったわけではありませんでした。

榊(ホンダ)

金型で製作したパーツも微調整が必要なケースが多く、3Dプリンターでつくったものがどうなるのかは当社にとっても未知の領域。でも完成したパーツを組み立てると、あっけないくらいピタッと組み上がり、正直、驚きました。

さまざまなメリット

―今回のオープンイノベーションを通じて得た気づきや蓄積できたノウハウを聞かせください。

榊(ホンダ)

スピードの速さはすごいなと。ベンチャー企業特有のものかもしれませんが、意思決定もプロジェクトの進め方もスピードを感じました。

自動車開発というマスプロダクトの世界では、ある程度の期間がどうしても必要です。

私感ですが、今回のように個別のカスタマイズニーズに対応した開発を行う場合は、従来とは別の考え方をしたほうがいいのかもしれません。

清水(カブク)

業務用小型EVのカスタマイズニーズと、開発プロセスを把握できたという実業面でプラスになるような知見を多く蓄積できたほか、日本のモノづくりの底力を改めて見直すことができました。

3Dプリンターで製造することが決まってから、要求を満たす設備を持つ工場を探したのですが、日本国内よりも海外のほうが圧倒的に低コストで約3倍もの価格差がありました。

しかし、海外で製造すると輸送に時間がかかるし、途中で破損する可能性もあるため納期に間に合わなくなるリスクが高かった。

そこで国内の業者に状況を説明し、クオリティを維持しながら価格差を縮める交渉を行った結果、輸送コストを含めれば遜色のないレベルまで漕ぎつけることができました。

これは重要な点で、日本のモノづくり現場が「技術水準が高く、価格競争力も強い」となれば、今後の展開にプラスに作用します。

価値創造のパートナー

―今後、オープンイノベーションを活性化させるためには、何が必要だと思いますか。

清水(カブク)

スタートアップの立場からアドバイスするとすれば、「大企業にはオープンな情報開示に慎重な人たちもいる」ことを忘れてはいけないと思います。

それを踏まえ、継続性やリスクの存在と軽減の仕方を論理的にきっちり説明していく必要があります。

榊(ホンダ)

今回のプロジェクトの成功要因として、横グシを刺すようにして組織を巻き込めることができたことがあると感じています。

マスプロダクトに慣れた企業の立場から言うと、それぞれの領域でキーマンとなる人をプロジェクトに巻き込めるかがポイントになると感じています。

―今後の展望を教えてください。

清水(カブク)

ソフト開発ではオープンイノベーションの手法が当たり前に行われています。ハード開発でも、それを普通のことにしていきたいですね。

ハード開発の場合、どうしてもコストなどの問題があり、当社のプラットフォームを通じて、それをクリアできる提案もしていきたい。

そして、オープンイノベーションの手法が製造業の企業の収益の柱となるよう当社の事業を通じて貢献する。それが私の目標です。

榊(ホンダ)

組織の大小は関係なく、世の中を、お客さまの暮らしをよくするために効果的だと判断すれば、いろんな企業と協力していきたいです。

当社には創業時から脈々と受け継がれてきた、ワクワクするようなモノづくりの精神、アイデアを大切にする企業文化があります。

これからもオープンイノベーションなどを通じて、一緒になって新しい価値を創造できるパートナーと出会いたいですね。

Who’s Who カブク

2013年1月に設立された、オンデマンド製造サービスを提供するベンチャー企業。「モノづくりの民主化」というビジョンを掲げ、3Dソフトウェア・エンジニア、AIエンジニア、製造エキスパート、インダストリアルデザイナー、ビジネスイノベーターなど、計7ヵ国30名を超えるメンバーが事業運営に携わる。主な提供ソリューションとして、製造依頼者向けオンデマンド製造サービス「Kabuku Connect」、製造工場向け受発注管理システム「Kabuku MMS」、アジア最大の3Dプリントマーケットプレイス「Rinkak」などがある。

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