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「人事評価制度」は問題が山積み

「人事評価制度」アンケート
INOUZTimes編集部
「人事評価制度」は問題が山積み

新年度入りの前後は社員にとって自分の働きぶりを総決算する「人事評価制度」の季節です。そこで今回は人事評価制度についてアンケートを実施、「社員のホンネ」を聞いてみました。どうやら経営者と社員の間ですれ違いがあるみたい…。そんな結果になりましたよ。

人気は急上昇中、だけど…

「自分のがんばりが給与に反映されるので仕事にやりがいを感じる」「自分の強みや弱みが明確になり個人目標をたてやすい」。

働く人にとってはこんなメリットがあり、会社にとっても離職率低下や業績アップなどのメリットがあるとして、規模の大小や業種を問わず、人事評価制度を導入する会社が増えているようです。最近では自治体の間でも人事評価制度を導入する動きもあるようです。

まさに各方面から人気上昇中の人事評価制度ですけど、アンケート調査の結果は意外。「人事評価制度をやってほしい、もしくは続けてほしいですか?」を聞いたところ、賛否が割れる結果になったんです。

人事評価制度を「やってほしくない」「続けてほしくない」と感じている“反対派”の人たちには、どんな理由があるのでしょう? 気になりますよね。

【質問】
人事評価制度をやってほしい、もしくは続けてほしいですか?

━【調査概要】━━━━━━━━━━━
調査対象:全国の成人男女を対象にしたインターネットリサーチ
平均年齢:36.3歳
性別  :男性44人、女性56人
職種  :正社員
回答数 :100サンプル
調査内容:人事評価に関するアンケート
━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【回答】
やってほしい、続けてほしい:56
やってほしくない、続けてほしくない:44

代表的な賛成意見

まずは賛成派の代表的な意見から抜粋して紹介します。

自分のためになる

・自分の能力の査定やこれからの個人目標を設定するためにもやった方が良いと思う(40代/女性/正社員)
・数値化してくれるのでわかりやすい。(40代/男性/正社員)

人事評価制度は自分のキャリアアップに役立つという意見です。期待どおりの反響ですよね。

がんばりが給与・賞与に連動する

・仕事でがんばったことに対して、きちんと評価してもらい給与・賞与に反映して欲しいので、続けて欲しいと思います。(20代/女性/正社員)
・同じ部署や同期でも仕事面で差は出るのにずっと同じ評価や給料だとやる気が起きにくいと思うため。(20代/男性/正社員)

会社への自分の貢献が給与や賞与に反映され、モチベーションがあがるという意見です。健全な競争意識も組織に芽生え、会社が活性化しそうですね。

こんな意見もありました。

その他の賛成意見

・普段は面と向かって訴えられないようなことも、人事考課の面談の際は思いっきりいえるのでいいです。(40代/女性/正社員)
・人事評価制度で助けられている部分もある。(30代/男性/正社員)
・人事評価制度って、やるべきものでしょう。(30代/男性/正社員)

仕事上のコミュニケーションを深める場としても機能しているようです。人事評価制度は「やるべきもの」とする絶対的な賛成意見もありました。

反対意見いろいろ

ここまでは、ある意味、教科書的な反応。では、反対している人たちはなにを考えているのでしょう。代表的な意見を抜粋して紹介します。少々耳が痛いかもしれませんよ!?

評価者がダメ

・評価者が現場を全く知らない。(30代/男性/正社員)
・評価者が正当に評価していない。基準も不透明。(30代/女性/正社員)
・評価者の私情が入ってる。(30代/男性/正社員)

反対意見でいちばん多かったのが「評価者への不満」でした。評価者が「現場を知らない」「基準が不透明」「私情が入る」というのは評価スキル以前の問題。これでは確かにイヤになっちゃいますよね?

給与に反映されない

・評価結果が何も反映されない。(30代/女性/正社員)
・給与が劇的に変化するとは思えない。(20代/女性/正社員)

評価結果と給与が連動していないので「なんのための評価なのか、わからない」という声です。

こんな不満も上がっています。

めんどう

・評価のために労働時間が増える。(40代/男性)
・人事評価のための準備・対応に相当程度の時間が取られ、通常業務に影響が出ている。(40代/男性)
・自分の評価がめんどう。他の人を評価するのはもっとめんどう。(40代/女性)

ありゃりゃ…。経営者としては「評価は大切なことなので、しっかりやってもらいたい」ところですけど、「よけいな仕事が増えるので迷惑」「めんどう」と感じている人も少なくないようです。人事評価制度の意義が伝わっていないことが根底にありそうですよね。

こんな意見もありました。

イヤなものはイヤ

・営業なので結果だけで評価してほしい。(30代/女性)
・基本的に人から評価を受けたくない。(30代/女性)

ミもフタもありませんね。でも「人事評価制度はあるのが当然」という絶対的な賛成意見があるのなら、「とにかくイヤだ」という問答無用の反対意見も存在するのが自然の道理。その理由の妥当性はともかく、人事評価制度自体に拒否反応を示す人もいることは心に留めておいたほうがよさそうですよね。

人事評価は愛なんだ

今回のアンケート結果からは人事評価制度にフラストレーションを抱えている社員が全体の半数近くいることがわかりました。ただ、反対しているとはいえ大多数は「ココを解決してくれれば」という条件付き賛成派。そんな感じも受けました。

「人事評価制度って必ずしも社員からは“評価”されてないんですねぇ」と、ある経営者に話したら、こんなことを言われました。

「妙な言い方ですけど人事評価は“愛”と同じ。上司と部下がじっくり話し合い、自分の伸びしろ、つまり成長の可能性を自己発見できる機会であってほしい。その姿は、時には厳しいことを言い合いながらもおたがいを高め合っていく、すばらしい恋愛のカタチと同じ。でも、いつもは知らん顔で、その時だけ“愛だよね”と言っても通じるはずはない。ふだんから部下のことを上司はきちんと見ているのか、それが試される場でもあるんです」。

心が通じ合っていれば遠距離でもいい恋愛になるし、近距離だけどほったらかし、では愛憎が逆転しちゃいます。「なので経営者としては人事評価の季節はビクビクものなんです。だからといって上司を飛ばして個別の評価に介入するわけにはいかないし…」とテーブルに頬杖をついて、その経営者は“考える人”のポーズになっちゃいました…。

経営者は社員全員に成長してほしいし、業績を上げてポストを駆け上がり、より多くの給与を手にして、社員それぞれの自己実現をしてほしいと思うもの。人事評価は、そうした経営者の“社員LOVE”がどこまで浸透しているのかを計れる尺度、なのかもしれません。あなたの会社に愛はありますか?

次ページからは、すべての回答を公開いたします。

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