「社員は家族みたいなものだ。どんな苦境に陥っても社長として家族を守るためになんでもする」
先日お会いしたあるベンチャー社長は、こう言ってました。
社員さんあっての会社。多くの社長も常に社員さんのことを第一に考えていることと思います。
かのピータードラッカーも言っています
「日本人の強みは、組織の構成員として、一種の「家族意識」を有することにある」。
しかし、そんな風に目をかけ、育ててきた社員さんが、ある日突然、「社長、会社辞めたいです・・・」と言ってきたら、社長のみなさんはどうしますか?
最初は、「えっ、なぜ?なにが原因?」と内心、ショックを受ける社長が多いでしょうが、その後、実際に社長はどんな対応をしているのか。
引き留めをしている?それともしていない?
こんなこと、他社の内情を細かく探っているようで、ききにくいですよね。
そこでINOUZ Times編集部では今回、社長インタビューで直接聞いてきました!
結果はこちらです。
社員さんのために理想の会社にしようと模索している社長も
結果は、ほぼ半々。していない社長が全体の52名。
引き留めをしていない社長が半数以上もいたんです。
正直言って、インタビューをした編集部としても、この答えは、とても意外でした。
というのも、別インタビューで““最近あった嬉しいこと”“最近悩んだこと”では「人材」についての回答が最も多かったからです。嬉しいことでは、 “人材が育ってきて嬉しい“という答えが最も多く、逆に悩んだことでは ”人材不足“ をあげる社長が多かったんです。
実際の答えを見てみましょう。
■引き留めをしていない社長
・決断した人を説得するのはパワーがかかりすぎる。一度離職を考えたら、またいつ考えるかわからない
・人は慣れる、飽きるということを前提に経営をしている
・特になし。ただ今後のために、なぜ離職するのかは聞く
・合っていないのに、長く過ごさせるのはよくない
・人材は流動するものと考えている
多かった意見は「去る者追わず」というものでした。「本人の意思で決めたものを変えることはできない」「仕方がない」というものです。
ん~、確かに、そうですね。
しかし、そこには「翻意させるのは難しい」「本人の意思を尊重する」という単に現実的でドライな態度とは別に、社員を一個人として信頼する態度、手塩にかけた社員を手放す社長の苦渋の決断も垣間見える気もします。
逆に、引き留めをしている社長の答えは以下のようなものでした。
■引き留めをしている社長
・担当役員が面談を行っている。四半期に一回必ず役員と面談を設けている。その時にやめるという話があがってくる。
・とりあえず自社でできる事とできないことを話してそれでも辞めるようであれば仕方ない、という判断。
・面と向かってしっかりと面談をしている。理由を追及する。改善できることは改善して提示する。
ちなみに、
「実際に面談をしたのち、具体的にどのような引き留め対応をしましたか?」
こんなことも突っ込んで聞いてみました。こんな回答でした。
・スキルを認めている人は、労働条件(ポスト)を上げた
・M&Aを積極的にしているので、グループ会社内である程度配置転換している
・何をしたいのかをすり合わせた
辞めたいと言っている社員さんの“理想”を会社でできないか、必死に模索する気持ち、よくわかりますよね。
会社が成長する過程では、浮き沈みはつきものです。“家族”であるなら、一緒に乗り越えてほしいという社長の切実な思い、伝わってきます!
一方で、今回もユニークな意見もありました。一部をご紹介します。
・興味がない。たぶん人事がやっている(面談など)。
・やめる人はやめていく。いちいち自分が気にしていたらきりがない。人事に任せている。
・していない。組織には一定の循環が必要。
・そこに時間と労力を割くほど時間がない
なかには、ちょっと刺激的な回答もありますね。(苦笑)
アンケートを分析すると、どうやら従業員数が100名を超えるとこんな回答が増えてくる傾向にあるようです。
企業規模が大きくなれば、社長と社員さんとの距離感が徐々に広がってしまうのは仕方のないこと。社員個々への関与が低くなってしまう現実を物語っているような回答ですね。
ベンチャー社長100人アンケート
「会社辞めたいです・・・」こんなとき社長はどんな引き留めしていますか?”
どうでしたか?
ある日突然、社員さんから「辞めたい」と突きつけられたとき…、社長、あなたならどうしますか?